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【外信コラム】「何をやりたいのかいまだに分からない」 英、EU離脱で大衆迎合主義の顛末とは

産経新聞 9月19日(月)15時51分配信

 ウォール街の業界団体である米証券業金融市場協会(SIFMA)が最近、英国の欧州連合(EU)離脱に関する会合を開いた。米国の金融機関は、欧州における拠点としてロンドンを活用しており、英国のEU離脱は人ごとではない。

 ここまで雰囲気の暗い会合に出席したのは久々だ。

 英国はEU基本条約(リスボン条約)50条を発動してEU離脱を決める交渉を2年間で終わらせる必要があるが、EU経由で対外的に結んでいたヒト・モノ・カネに関する条約を英国は個別に再締結する必要があり、2年では足りない。

 EU市場への完全アクセスを離脱交渉で得られなければ、米銀は他のEU参加国に拠点の一部を移す可能性がある。このシナリオは英国の雇用減につながる。

 だが、「国内、対EU政策がいまだに不透明で、計画なしに離脱を決めたことが自明」(ピーターソン国際経済研究所のカークガード氏)。出席していたロメオ・駐ニューヨーク英総領事は、米銀経営者から「(離脱交渉の)進捗(しんちょく)はどうなっている?」と突き上げられているそうだ。

 会合の司会役だった英紙編集者が、「何を(英政府が)やりたいのか、いまだに分からない」と自虐的に語っていたが、これが大衆迎合主義の顛末(てんまつ)である。(松浦肇)

最終更新:9月19日(月)15時51分

産経新聞