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サンパウロのインディー書籍市「フェイラ・プラーナ」東京に上陸

MEGABRASIL 9月19日(月)11時54分配信

19 (月・祝)まで東京アートブックフェアに参加

9月16日(金)より、京都造形芸術大学・東北芸術工科大学 外苑キャンパス(東京・北青山)にて開催されているアートブックの祭典「The Tokyo Art Book Fair (TABF)2016」では、ゲストカントリーとしてブラジルがフィーチュアされている。

今年のTABFには、サンパウロで開かれる南米最大の独立系ブックフェア「フェイラ・プラーナ」のディレクター、ビア・ビッテンクール代表をはじめ15組の出版社やアーティストが参加。個性あふれる作品を展示、販売している。

開催初日の16日(金)にはビア代表の講演も行われた。

ブラジルのアートブックフェア「フェイラ・プラーナ」は、小規模出版社、独立出版社、ヴァーチャル出版社、ミニコミ誌発行者などが一堂に介するブックフェア。2013年3月にサンパウロの光と音の博物館内で、手作りイベントとしてスタート。4回目となる2016年には、サンパウロの大規模な展示会場であるビエンナーレで開催されている。

この「フェイラ・プラーナ」は、ビア代表とヘナータ・テレスの二人を軸に、デザイナーなどのスタッフをその都度加えて構成される、最小限のスタッフで運営されているという。

「ブラジルでは出版や製本はとてもお金がかかります。それこそハードカバーの本、質の良い印刷の本を作るには大変な経費がかかるため、限られた本しか出版されません」

経費をかけずに、手作りでも製作できる独立系出版では、表現自体の自由度も高い。それゆえ政治的な表現も自由に行うことができる。

「The Tokyo Art Book Fair (TABF)2016」会場では、「フェイラ・プラーナ」とゆかりの深いブラジル人アーティストの展示会やインスタレーションも開催されている。

ゲストカントリーエリアの入口で展開されているのが、アーティスト、ファビオ・ジンプレスとジャカによる「デゼーニョマチッキ展」。このコンビはブラジルにおける「デゼーニョ・テヒーヴェウ(ひどい絵)」の先駆者だという。

同店時の前では、大きな赤い帆布の上にさまざまな独立系出版作品を展示している。

「この展示では、現在のブラジルの政治状況の中で、我々ブラジル人がどのように生活しているかを表現した作品が並んでいます。前大統領が罷免されたことで、現在ブラジルの社会はとても微妙な状況にあるため、現在、自由な表現が許されている独立系出版にかかわるアーティストは、この問題に触れざるを得ないのです」

「フェイラ・プラーナ」が用意したパンフレット(日本語翻訳つき)にも、現在のブラジルにおける政治的な問題をとりあげられている。パンフレットの表紙は、ブラジル国旗の図章を赤と白の2色で表したものとなっている。そこにはふたつの理由が込められており、ひとつは日本の国旗への敬意、もうひとつは政治的な選択肢としての色だという。赤は罷免された前大統領の政党のカラーだ。

「The Tokyo Art Book Fair (TABF)2016」会場で取り扱われている書籍は自費出版のため1点ものや少量生産のものが多いが、ZINEのような小冊子もあれば、豪華な写真集まで、体裁もテーマもいろいろ。リアルタイムのブラジル社会を反映した、さまざまな形の独立系出版作品にふれることができる。

(文/麻生雅人)

最終更新:9月19日(月)11時54分

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