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8m越えの義足ジャンパー マルクス・レームの想い

カンパラプレス 9/19(月) 21:19配信

 パラリンピック終盤の17日、男子走り幅跳びT44クラス(片下腿切断など)、右脚義足のジャンパー、マルクス・レーム(ドイツ)が6本目の試技で8m21をマークし、パラリンピック2連覇を飾った。2位に入ったオランダ選手の記録(7m29)を92cmも上回る圧勝だった。

 レーム本人が昨年10月のパラ陸上世界選手権(カタール・ドーハ)で樹立した世界記録(8m40)の更新はならなかったが、「8m21も素晴らしい記録。満足している。とても幸せだ。プレッシャーはあったが、体調はよく、パラアスリートにもこんな記録が出せることを証明したいと思っていたので、本当に嬉しい」

 とはいえ、レームはこの日、少し苦しんだ。1本目は7m13と、レームにしては平凡なジャンプからスタート。徐々に調子を取り戻し、4本目が7m98、5本目は8m04と記録が伸び、ようやく最後6本目の試技でレーム本来の大ジャンプを見せた。

「3本目(7m48)まではひどい記録だったが、少しずつリズムがよくなった。6本目はすごく難しかったが、しっかり集中し、よいジャンプができて嬉しく思う。観客の温かい声援が本当に力になった」と胸に輝く金メダルと同じように笑顔を輝かせた。

 パラリンピック連覇を果たしたレームには、まだ他に目標がある。義足選手として正式に、オリンピックなど健常者の大会に出場することだ。

 レームは2年前の夏、ドイツ最高峰の大会「ドイツ陸上競技選手権」で8m24を跳び、オリンピアンら健常者を抑えて義足選手として初めて「ドイツ王者」となり、一躍、「オリンピック出場も」と注目された。その後も順調に記録を伸ばし、前述のようにパラ世界陸上では大ジャンプを見せる。マークした8m40の記録はロンドン・オリンピックの優勝記録(8m31)を上回り、リオ大会の参加標準記録8m15もクリアするハイレベルなもので、オリンピック出場への期待もさらに高まった。

 しかし、「反発力の高いカーボン繊維製の義足で踏み切るのは、人間の脚より有利ではないか?」といった意見も根強く、とうとう国際陸上競技連盟は「義足に有利性がないことを選手自身が証明すること」を出場条件に設定する。

 レームは今年前半、専門家らの協力を得て検証を試みたものの、短期間に集められた科学的データだけでは「有利性はない」と証明しきれず、リオオリンピック出場を断念していた。

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最終更新:9/19(月) 21:35

カンパラプレス