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子どもの脳や神経に関わる疾患 個性に合わせ発達見守る

山陽新聞デジタル 9/19(月) 11:00配信

障害児の育ち、地域で支える 倉敷成人病センター小児科 御牧信義主任部長

 子どもの脳や神経に関わる疾患は多様だ。急性期症状の発作を伴う「てんかん」、出産時の低酸素状態などが原因となる脳性まひ、自閉症などの発達障害…。病態や治療法、生活支援の方法も多岐にわたり、個人差も非常に大きい。その全てに対応するのが小児神経専門医だ。

 小児科専門医は全国で約1万4千人いるが、小児神経専門医は約千人と少ない。数少ない小児神経外来を設けている倉敷成人病センター小児科には、岡山県内外から年間約900人の新規患者が訪れる。特に発達障害を専門とする御牧は、そのうち約600人の診療を担う。

 “小児”と冠しているが、小児神経外来が診療するのは15歳以下に限らない。「治療の結果が出る一つの目安は、患者が20歳になった時」と御牧は言う。「患者がハッピーに生活できているか、職業選択の幅がどれほど確保されているか。支援の手を借りながらでも地域社会で自立することが目標」。誕生時の状態を踏まえつつ、長期的に見守る視点が欠かせないという。

 例えばてんかん。全患者の75%は、7歳くらいまでに最初の発作を起こして診断されることが多い。原因は、3分の1が出生前や出産時に何らかの理由で脳にダメージを負ったことによるもの、3分の1は脳炎や髄膜炎など別の疾患に伴う後天性のもの。残りの3分の1は、原因が特定できない。

 抗てんかん薬を長期間服用する薬物療法が必要だが、95%は成人期以降に症状が出なくなるとされる。ただ服薬をやめても約10年は、寛解状態が維持されているか経過を観察しなければならない。

 四肢などにまひが出る脳性まひは、出生時に負った脳障害が原因のため、症状が進行することはない。だが、身体や精神面の発達に伴い、生活に支障が出てくることがある。食べた物が逆流しやすくなるなど、成長の過程でよく起こる症状があるという。

 症状に合わせた診療科で治療することも可能だが、多くの患者や家族は、自分自身の治療歴や生育歴、生活歴をつぶさに見てきた小児神経専門医による診療を希望するという。「20年以上、患者を診続けることもまれではない」と御牧は言う。

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最終更新:9/19(月) 11:08

山陽新聞デジタル

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