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本場英国も認めた 「ジャパニーズウイスキー」大躍進

ニュースソクラ 9月19日(月)12時40分配信

厳選された原料、匠の技で長期熟成

 日本のウイスキーが海外で徐々に浸透し、これを受けて国内メーカーも本腰を入れ始めた。以前からサントリーやアサヒビールが力を入れている分野だが、ついにキリンビールも9月から日本産ウイスキーを輸出することになった。世界的な和食人気を背景に国内食品メーカーは海外展開を進めており、ウイスキーもうまくその波に乗ってきたようだ。

 ウイスキー以外でも日本酒などを含め、国産酒類全体として海外で人気を集めており、輸出も伸びている。国税庁によると2015年の国産酒類の輸出額は約390億円と、4年連続で過去最高を更新した。内訳は最も多い日本酒が約140億円で、これにウイスキーが約104億円で続き、ビールは約86億円。輸出先は欧州や米国のほか、韓国や台湾などが多い。2010年と比べると、5年で金額が17億円から6倍以上に、輸出量は136万リットルから469万リットルへと3倍以上に伸びており、ちょっとしたブームを起こしていると言えそうだ。

 近年の海外市場の開拓者と言えば、やはりサントリーだろう。先ほど2010年から5年で3倍以上輸出量が伸びたと指摘したが、その土台をサントリーが作ってきたとも言える。サントリーは英国などウイスキーの本場の欧州で、果敢に日本産ウイスキーの販売に挑戦。欧州でのウイスキー販売量を2006年から2011年の5年で5倍に急伸させたのである。日本製独特の「繊細な味」が本場の愛好家に受け入れられたとされる。

 ウイスキー発祥の英国などで「ジャパニーズウイスキー」への理解を深めるのは容易ではなかった。かつては一般消費者には存在を認識されていないか、質の悪い「極東のキワモノ」扱いだった。しかし2003年に「山崎12年」が国際コンクールで金賞を受賞したあたりから「プロ」の見方が変わり始め、追い風が吹き、英国の著名なガイドブック「ウイスキー・バイブル」の2015年版で「山崎シェリーカスク 2013」が日本のウイスキーとして初めて最高得点を獲得して、勢いに弾みがついた。

 「サントリーのウイスキーは『KYOTO』の清らかな水と美しい四季にはぐくまれ、味覚が繊細な日本人が好んで飲んでいる」とのイメージ戦略のもと、口コミ効果を狙った販促活動を高級品市場で展開。例えばフランスでは高級百貨店「ボン・マルシェ」に絞って注力。日本独特の球状の「丸氷」を使ったロックで、味覚に加えて見た目でも楽しむ日本のウイスキー文化の繊細をアピールし、支持を広げていった。

 アサヒも「竹鶴」や「余市」といったニッカブランドの定番商品が人気を呼んでいる。原酒が不足したため、今年は輸出量を制限する事態となっている。

 遅ればせながら打って出るキリンは、静岡県御殿場市の蒸留所で製造した「富士山麓」を、9月上旬からまずフランスで販売する。日本食への関心が高いフランスは日本産ウイスキーも浸透しており、日本のウイスキー輸出量の2割を占めている。発売に当たってラベルに富士山をあしらい、店頭価格は700ミリリットルで国内の3倍超の約45ユーロ(約5000円)に設定するというかた強気だ。キリンはフランスの販売動向を見ながら他国への展開も検討する方針だ。

 輸出数量以上に金額の伸びが大きいということは、それだけ高級品が売れているということ。「厳選された原料を使用し、匠の技により生産され長期熟成を経た高品質のウイスキーの需要が大きく伸長している」(業界関係者)だけに、日本ウイスキーブームは一過性には終わりそうもない。

ニュースソクラ編集部

最終更新:9月19日(月)12時40分

ニュースソクラ