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女性に多い「便漏れ」症状 薬や体操で改善へ

山陽新聞デジタル 9月19日(月)11時50分配信

 「便が漏れる」症状について、チクバ外科・胃腸科・肛門科病院(倉敷市)の竹馬彰理事長に寄稿してもらった。



 前回は「いぼ痔(じ)」のお話をしましたが、今回は「便が漏れる」症状のお話です。ご高齢になるに従い特に女性の方で「便が漏れる」「知らないうちに下着が汚れる」といった症状をお持ちの方は増えています。「しようがない、年だから」と思われている方も多いと思いますが中にはお薬や体操によって改善される方もいますし状態によっては手術することもあります。

 一番多いのは加齢による肛門括約筋の弛緩、つまり「しまりが悪くなった」状態です。これは女性に多く見られます。なぜならばもともと女性の肛門括約筋は男性と比べて厚みがありません。そこに加齢による神経の変性や筋肉の萎縮などが加わり肛門括約筋の収縮する力が弱くなると「便漏れ」が起こります。特に「内括約筋」という肛門の内側にある筋肉の収縮が悪くなると気が付かないうちに便が出てしまうことになります。更に便意を感じる肛門や直腸にあるセンサーが鈍くなると症状が強くなります。

 このような場合の治療として第一に便の性状をあまり軟らかくし過ぎないように調整することから始めてみましょう。整腸剤や場合によっては下痢止めを併用します。次に食物繊維の多い食事を摂(と)りましょう。更に「骨盤底筋体操」を行います。女性に多い「尿漏れ」でもこの体操を行いますが基本は肛門や膣(ちつ)を締めたりゆるめたりする体操です。効果が出るのには3カ月程度かかると言われていますから気長に続けてください。代表的な体操を図に示しますので参考にしてみてください。

 また専門医ではネオスチグミンという薬を軟膏(なんこう)の形にしたお薬を用いることもあります。相談してみてください。

 ついでよくみられるのが出産時の会陰切開や会陰裂創、昔の肛門手術などで肛門括約筋が傷ついている場合です。状態によりますがこのような場合には手術で切れた括約筋を縫合することができる場合があります。残念ながら先に述べた加齢による括約筋の緩みの場合には手術は効果があまりありません。

 すべての方でうまくいくわけではありませんがあきらめてしまうこともありません。できることから試してみましょう。

 次回は「直腸脱」のお話をします。

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 チクバ外科・胃腸科・肛門科病院(086―485―1755)

最終更新:9月19日(月)11時56分

山陽新聞デジタル