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【MLB】イチローと敵コーチの心温まる交流 「3000」と書かれた「バットスタンド」

Full-Count 9月19日(月)21時39分配信

思い出の地で二人だけの“会話”、 「特別な関係は今でも変わらない」

 フィラデルフィアは、マーリンズのイチロー外野手にとって思い出のある場所だ。昨季のレギュラーシーズン最終戦に投手として「初登板」したのが、フィリーズの本拠地があるフィラデルフィアだった。そして今年9月16日、フィリーズとのナイトゲーム前にも心温まる交流があった。

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 フィリーズのマクラーレン捕手コーチが全体練習前に、マーリンズのベンチにイチロー専用の「バットスタンド」をつくっていた。ベンチに2本の木の棒(アイス棒のような形状)を白色のテーピングテープでくっつけたもので、テープには「3000」と書かれていた。これを見たイチローは嬉しそうに笑って、練習中に漆黒のバットをそっとたてかけた。グラウンドで言葉を交わす機会はなかったが、二人だけの会話がそこにあった。

 マクラーレン・コーチはイチローがマリナーズに入団した1年目の2001年にベンチコーチを務めていた。その頃、イチローが練習中にバットをベンチにたてかけていると、すぐに倒れてしまっていたことから、同コーチがお手製のバット立てを作成していたという経緯がある。毎日違う名前が書かれていたそうで「ミッキー・マントル、テッド・ウイリアムズら殿堂入りした往年の名選手の名前を書き、彼らについてイチローに説明していた」と、同コーチは懐かしそうに話す。

3000安打の金字塔を「私のやり方でお祝いしたかった」

 2001年に大型契約を結んで入団し、大きな注目を集めていた新人イチローにとって、マクラーレン・コーチは良き理解者だった。マリナーズを退団後も家族ぐるみの付き合いがあるそうで、「マリナーズでは毎日彼の打撃練習の相手を務め、色んなことを話した。ジョークを言って笑ったり、とても良好な関係だったと思っている。心から尊敬しているし、特別な関係は今でも変わらない」と話す。

 ナショナルズでコーチを務めていた2010年-11年にも、マリナーズに在籍していたイチローが遠征で来た際、同様に「バットスタンド」をつくって「出迎えた」という。「今回は3000安打という素晴らしい数字に到達したことを私のやり方でお祝いしたかった」と茶目っ気たっぷりに笑った。

 イチローを見たときの衝撃は、今でも記憶に鮮明に残っている。「彼を初めて見たのは1999年に招待選手としてマリナーズの春季キャンプに来たときだ。その頃から野球への情熱、試合に準備する姿勢は変わっていない。変わったとすれば、白髪が増えたことくらいかな」。42歳になっても走攻守で高いレベルを保つイチローを、64歳のマクラーレン・コーチはこれからも優しく見守っていく。

伊武弘多●文 text by Kouta Ibu

最終更新:9月19日(月)22時3分

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