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ニューヨーク爆弾、「両方とも金属片入り圧力鍋」 

BBC News 9月19日(月)11時22分配信

米ニューヨーク市マンハッタンのチェルシー地区で17日午後8時半(日本時間18日午前9時半)ごろに起きた爆発について、市当局は、使用されたのは大量の金属片の入った圧力鍋だと明らかにした。約300メートル離れた場所で発見された不審物も同様で、報道によるといずれも、2013年4月のボストンマラソン爆破事件で使われたものと似ているという。米紙ニューヨーク・タイムズが市捜査幹部の話として伝えた。

報道によると、2つの装置はいずれも、折り畳み式の携帯電話とクリスマス用の装飾ライトを使用し、圧力鍋の中の爆発物を起爆させる仕組みになっていた。2つ目の不審物は、爆発前に発見・撤去され、警察が処理した。

米連邦捜査局(FBI)は18日、ブルックリンで「関心対象の車両」を職務質問したが逮捕はしていないと述べた。未確認の複数報道は、車内の5人が拘束されたと伝えている。

ニューヨーク州のクオモ知事は17日、2つ目の装置はチェルシー地区で爆発したものと「似た設計」のように見えると述べた。17日には近隣ニュージャージー州のチャリティーレースでパイプ爆弾が爆発しているが、ニューヨークの爆発物はパイプ爆弾と設計は似ているものの異なる仕組みだという。

チェルシー地区の爆発では、29人が負傷した。ニュージャージー州の爆発では負傷者はいなかった。

ニューヨーク市のデブラジオ市長は、「政治的な動機なのか個人的な動機なのか、分かっていない。重大な爆弾事件があったことは分かっているが、動機を特定するまでにはまだ捜査が必要だ」と述べた。

クオモ州知事は、「誰が爆弾を仕掛けたにせよ、発見して法の下で裁く」と主張した。知事はさらに「ニューヨークでの爆弾事件はもちろん、テロ行為だ」と力説した上で、国際テロ組織との関与はまだ不明だと述べた。

ニューヨーク市警によると、市内の交通要所の警備を強化するため、人員1000人を追加配備する方針。

チェルシー地区の爆発は17日午後9時(日本時間18日午前10時)ごろ発生し、周辺の建物の窓が割れた。爆音は、数百メートル離れた場所からも聞こえた。

チェルシーは人気のおしゃれな地域で、バーやレストランは週末の夜ともなると混雑している。

現場から約2キロ離れた国連本部では20日から、国連総会の一般討論演説が始まり、オバマ米大統領など各国首脳・外交官が多数出席する予定。

デブラジオ市長は、通常の総会期間中よりも多数の警備体制を敷く方針だと話した。

17日には中西部ミネソタ州のショッピングセンターで、刃物を持った男が8人を次々襲って負傷させる事件も起きている。容疑者は現場で警察に射殺されたが、死亡する前にイスラム教の神アッラーに言及したとされる。過激派勢力のいわゆる「イスラム国」(IS)は、男は自分たちの「兵士」だと声明を出した。

ミネソタ州の負傷者はいずれも、命に別状はないという。

大統領選候補たちの反応――アンソニー・ザーチャー北米担当記者

アンドリュー・クオモ知事は、危機発生を知らせる深夜の電話は、政治家にとっての「悪夢のシナリオ」だと呼んだ。米国では週末にかけてニューヨーク、ニュージャージー、ミネソタの各州で攻撃が相次ぎ、国家安全保障があらためて大統領選の主要課題として議論の中心に戻ってきた。

今年6月のフロリダ州オーランドでのナイトクラブ乱射事件の後もそうだった。安全保障について強硬路線のドナルド・トランプ氏にとって、自分こそが国を守れる変化をもたらす候補だとアピールするチャンスだったが、トランプ氏はその機会をふいにした。過剰に好戦的な物言いに多くの有権者は顔をしかめ、ヒラリー・クリントン氏がリードを広げたのだ。

今回のトランプ氏は6月に比べて慎重で、ツイッターでは被害者に同情を表明するにとどまっている。ニューヨークの当局が公式に確認する前に「爆弾事件」だと断定し、米国は「タフにならなくては」と強調したが、オーランド乱射後の数々な発言(「イスラム過激主義についてやっぱり私が正しかったと、称えてくれてありがとう」など)とは比べものにならない。

一方でクリントン氏は、性急な決めつけは控えるべきだと苦言。対立候補がまたしても過剰反応することを期待していたのかもしれない。

大統領選は投票日に向けて再び接戦状態にあり、最初の大統領候補討論会は26日夜(日本時間27日午前)と目前に控えている。両候補は、指導者としての資質を有権者に示さなくてはならない状態にある。17日の「悪夢のシナリオ」はその資質を試すものだったし、おそらくこれで最後ということにはならないはずだ。

(英語記事 New York bombs 'were both shrapnel pressure cooker devices')

(c) BBC News

最終更新:9月19日(月)14時4分

BBC News