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時間をかけて出てた“深み”。中村勘九郎が語る『真田十勇士』

ぴあ映画生活 9月20日(火)10時19分配信

中村勘九郎、松坂桃李らが出演する映画『真田十勇士』が間もなく公開になる。本作は、2014年に上演された舞台を映画化した作品で、現在、新国立劇場では再演も行われ“舞台と映画が同時公開”という一大プロジェクトが展開中だ。映画では、巨大なオープンセットやVFXが駆使されているが、最大の見どころは舞台を通じて深められた俳優たちの演技だ。十勇士のひとり、猿飛佐助を演じた勘九郎に話を聞いた。

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真田幸村といえば、戦国の世で高く評価される名将だが、本作に登場する幸村は、運が良いだけで実は腰抜けの男。しかし、猿飛佐助、霧隠才蔵らは“ハッタリ”と“大嘘”で幸村を天下一の武将にするべく、大坂の陣に挑む。

「初演の時に冗談半分で監督に『この舞台、映画にしましょう!』と言いましたが、まさか本当に映画になるとは!」と振り返る勘九郎が本作で演じる佐助は、豪快で破天荒、この世を“おもしろくする”ことを追求する男。一方で、仲間を率い、アッと驚く方法で不利な状況を一変させてしまう稀代の策士でもある。2014年に舞台の稽古、2か月におよぶ公演を通じて役を深めてきた勘九郎は、映画撮影について「ずっと稽古をして、本番も演じてきましたので、こんなにも下準備をしないで仕事に臨んだのは初めてでしたね」と笑顔を見せる。「映画撮影の初日に最初のセリフを発した時に周囲から『あ! 佐助だ!』と声があがりましたし、桃李や他のメンバーが喋りだすと私も『おお! 懐かしい!』と思う。参加しているみんなに迷いがないですし、初日から完璧でしたね」

通常、映画は“時間”との戦いだ。撮影期間は限られており、刻一刻と太陽は沈んでいく。俳優たちはその中で自身の役を深めていくが、本作のキャストの大半は舞台を通じて役について考え、試行錯誤を繰り返してきたため「時間をかけてきたことで、役に深みと厚みが増してきた」という。その上で勘九郎は、佐助をさらに深めようとしている。「佐助は、破天荒だけど一番の策士で、どこか“プロデューサー”なんですね。だから、自分で演じていても、主役や主演だと感じたことは1回もありませんでした。ただ、映画の撮影時から、佐助のお腹の中と言いますか、奥底に眠っていた“もうひとりの佐助”が演技に出てくるようになった。この映画では大坂夏の陣が中心になるので、シリアスな場面にいるときに、佐助はみんなをどう見ていたのだろうか? と考える中で、寂しさや孤独が演技の中に出てきた。これは舞台の再演にも活かそうと思っています」

俳優が時間をかけて役を追及し、演技を深めていく。これは巨大なセットやVFX以上に“豊か”なものだ。「そう言っていただけるとありがたいです。これほど長い期間、同じ役をやったことはないので、佐助という人物には本当に愛着がわいています。この映画がヒットしたら続編ができるでしょうから、ぜひ、みなさんに観ていただきたいです」

『真田十勇士』
9月22日(祝・木)全国ロードショー

最終更新:9月20日(火)10時19分

ぴあ映画生活