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Airbnbブログ『エアログ』運営者が語る 民泊の「傾向と対策」

ZUU online 9月20日(火)6時10分配信

Airbnbへの愛情があふれる情報配信ブログ『エアログ』を運営している、るってぃさんを訪ねました。
これまで27ヶ国、350組以上のゲストに宿泊場所を提供してきた、るってぃさんにAirbnbの魅力と最近の実情、民泊全般についての見解を伺いました。

■留学先のニューヨークで受けた 文化的衝撃が啓蒙活動の原点

るってぃさんが運営する『エアログ』はAirbnbの基本的な解説をはじめ、ゲストとの交流体験談、かゆいところに手が届くような民泊のお役立ち情報を発信している人気ブログです。その活動のきっかけは、大阪で過ごした学生時代に留学で訪れた、ニューヨークで受けたカルチャーショックだったそうです。

「留学を通じて外国文化に触れて、生き方や、働き方についての人生観がひっくり返りました」。帰国後、もっと外国人と触れ合いたい、という思いからゲストハウスでアルバイトをするようになった、るってぃさん。2015年2月に外国人ゲストからAirbnbの存在を聞き、就職のために住むようになった東京都新宿区のアパートで、同年4月からAirbnbホストを始めたそうです。

るってぃさんのホストとしての方針は、会社勤めをしていたこともあり、宿泊を通じた国際交流の楽しさを優先することでした。そのため、お金(売上)は二の次という姿勢だったとのことです。

昼間は会社員、それ以外の時間をAirbnbホストにあてる生活が5ヶ月ほど続いた頃、2015年9月にAirbnbに特化したブログ『エアログ』を開設。自ら積極的にAirbnbの魅力を発信するようになりました。翌年2月に、るってぃさんは会社を辞めてフリーランスとして活動するようになったそうです。

「会社を辞めることに迷いはなかったです。僕の人生論の一つとして、楽しさが先行しないと結果が出ない、というのがあります。そういう意味で、こっち(Airbnb)の方が、結果が出ることが分かっていましたから。実際に何とかなっています。そういう性格なのです(笑)」と、るってぃさん。

■Airbnbホストは供給過剰の傾向 地方の都市部では物件特徴を明快に

るってぃさんに、Airbnbを通じた民泊普及に熱中する理由を尋ねました。「僕はAirbnbのサービスに衝撃を受けました。世界中でのムーブメントになると思うし、(その分野で)先行することで優位性を得たいと思い『エアログ』を始めました」。現在、るってぃさん自身はホスト活動を行っておらず、Airbnbの魅力を伝えるコンサルタント活動の一環として全国各地を訪れて、ホストからの相談に乗っているそうです。

「宿泊は大阪で運営しているゲストハウスだけで行っています。Airbnb関連は、ホストを始めたい方への指南活動が中心となっています。幅広い年代の方から相談を受けていますが、特にシングルマザー、学生、定年退職して年金で暮らしている方。そのような方々に民泊の価値をお伝えしています」。例えばAirbnbホストになることで、シングルマザーが収入を増やしたり、(外国人との交流を)子育てに役立てたり、といった世帯が全国にあるそうです。

その一方で、Airbnbホストからの相談で最も多いのが「予約が入らない。どうしたらよいだろうか」というもの。周辺の観光資源に限りがある地方の都市部に、その傾向が顕著に見られるそうです。

「東京は観光地が分散されていて、その数も多いので予約が入りやすい。しかし、地方の都市部は物件を登録できる(観光に適した)エリアが限られているうえに、ホストが増えて供給過剰の様相です」。

「ホスト(物件)の数が多すぎることにより、特に地方の都市部では全体として単価が下がる傾向があるのですが、(利回り型物件の場合は)賃料や取得金額に基づいて設定している宿泊料を下げることができません。それで予約が入らずに、撤退する方が増えています」と、るってぃさん。

複数の賃貸物件を運用するAirbnbホスト(家主不在型)は、全ての物件の予約が堅調に入れば継続した収入を得ることができます。他方、収入だけに捉われない姿勢を保つ「ホームステイ型」(家主居住型)は、利用料を小まめに調整することで予約を呼び込みやすくなります。

「僕自身は『ホームステイ型』を提唱しています。空いている部屋や空き家があるのなら、Airbnbで貸してみようよ、というもの。必要なものは布団とWi-Fi環境だけです。(自己保有の物件を貸す場合は)金銭的なリスクが限りなくゼロで、こんなに楽しいことができるのですよ、と全国で話しています」。

いずれにしても、これからAirbnbホストを始める人は(観光地に近いなど)立地の強みや家具のしつらえなど、物件の特徴を明快にして伝えるのが得策でしょうと、るってぃさんは対策を説明します。ワンルームマンションの一室を用意して、安価な家具店で設備を揃えるだけのAirbnbホストは、今後は苦戦を強いられるそうです。

「(民泊、Airbnbの普及を考えると)このままでは、いけませんよね。僕は自分がホストをする番は終わったと思い、これからは全国のホストの方々に助言をしていきます」。

■Airbnbは旅館・ホテルとは異なる 「家に一泊」に大きな体験価値がある

学生時代の留学をきっかけにゲストハウスで働くようになり、Airbnbを通じた民泊の普及活動に尽力する、るってぃさん。『エアログ』はAirbnbの魅力を伝えていきたい、との意気込みに満ちています。

「僕は『Airbnb』という企業と、そのサービスへの関心が強いのです」と、るってぃさんは前置きをしたうえで、民泊の現状について見解を話してくれました。

「これまで、インターネットのビジネスはネット上で完結するものが主でしたが、Airbnbはオンライン予約・決済から始まりながらも(宿泊を通じて)人同士がリアルに出会います。これからAirbnbのようなビジネスが世界中で一般的になるのであれば、(民泊にまつわる)ネガティブな報道や情報に引っ張られるだけではいけませんよね。それでは(日本は)取り残されてしまいます」。るってぃさんは『エアログ』を通じて、それを伝えていきたいとのことです。

『エアログ』の取り組みは、27ヶ国、350組以上のゲストと触れ合ってきた、るってぃさんの持論に支えられているそうです。「自分の家に知らない人を泊めたり、僕が他人の家に泊まったり。一泊の付き合いが生まれるだけで、その人柄とか性格が分かるようになってきました。実は、人の家に泊まることって、すごくパワーが要りますよね。でも一泊するだけで、その人との距離が近くなります。人の家に泊まるというのは、すごい(大きな)『体験』なのだな、ということにあらためて気が付いたのです」。

法整備の枠組み作りが進んでいる民泊の新制度には、年間180日を上限日数とすることが盛り込まれています(※具体的な日数は検討中)。民泊ホストや管理者、仲介会社には新制度への対応が求められます。

「Airbnbを通じた民泊は旅館・ホテル業とは異なるものです。これは言葉にするのが難しいのですが、(初対面でありながらも)家に友人を泊める感覚があり、そこに大きな価値が現れるサービスです。だから、Airbnbホストから(民泊の新法成立後は、旅館業法上の)簡易宿所として登録をする、という声を聞くと、僕は違和感を覚えるのです」と、るってぃさん。

制度論、手続き論が先行するなか、「Airbnbは旅館・ホテルでは体験できないものなので、(国内で)このサービスが無くなってほしくはないな、と思います」と、るってぃさんは胸中を話してくれました。

「民泊に反対の立場の方も、リオ・オリンピック閉会式を見て『4年後の開催国は日本なのだな』と感じるところがあったかと思います。訪日外国人は増えるけれども宿泊先は足りていません。民泊の必要性は増しています」。るってぃさんの啓蒙活動は、2020年に向けても勢いを増していきそうです。(提供:民泊投資ジャーナル)

最終更新:9月20日(火)6時10分

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