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【DeNA】ラミレス、悲願のCS初進出!原さんの兵法「影響受けた」

スポーツ報知 9月20日(火)6時7分配信

◆DeNA3―1広島(19日・横浜)

 DeNAが広島を下し、3位以上が確定。初のクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。07年に創設されて10年目となるCSには、これまで横浜時代を通じDeNAだけが出場していなかった。12年に球界へ参入したDeNAは、今季就任したラミレス監督の下、大きな到達点にたどり着いた。2位・巨人にも2・5ゲーム差に接近。10月8日開幕のCS第1ステージでは巨人と対戦する。

【写真】最後を締めた山崎康からウィニングボールを受け取るラミレス監督

 いつか来ると信じ続けた未来が、煙る雨の向こうで現実となって広がっていた。DeNA、初のCS進出―。就任1年目で快挙を演じたラミレス監督は、祝福の思いを込めて選手一人ひとりと固く、そして熱いハイタッチを繰り返した。ヒーローインタビュー。背番号80はお立ち台に立ち、絶叫した。

 「多くの皆さんに長い間、待っていただいた。きょう、ホームで決めることができて本当に良かった。オメデトウゴザイマス!」。11年12月1日、「横浜DeNAベイスターズ」が球界に産声を上げてから1755日―。12球団で唯一CS進出経験を持たない新米球団が、ついに新たな歴史を刻んだ。

 06年から4位が続き、チーム創設後も2度の最下位を経験し、万年Bクラス。初の外国人監督としてタクトを任された。「選手のラミちゃんと、監督のラミレスは違う」。現役時代のパフォーマンスは捨てた。求めたのは、データと信頼に導かれたラミレス野球だった。

 過去の対戦結果、球場ごとの成績、対右左の相性―。使えるデータはすべて駆使した。練習前の囲み取材に遅れる時は「対戦相手のVTRを見ていたから」が理由。「この投手には右打者は2割6分を打っているが、左打者は1割9分しか打てていない」とソラで言えるほど、あらゆる数字が頭の中にたたき込まれていた。

 無機質な数字に頼るだけではない。選手には言葉のカベを越え、心を通わせた。「自分が信じた者にはすべての信頼を与える。それが、選手の自信につながると信じているから」。中でも絶大な信頼を寄せたのが、筒香だ。選手時代、DeNAに在籍した13年。2軍でくすぶる未来の大砲に説いた。

 「日本で一番の打者になれる。いつか、持っている能力を発揮できる時が来る」

 監督となってこだわったのは、いかに打撃に集中させるか。「現役時代、1日に3度敬遠されたこともある。そうなると悪い球に手を出し、調子を崩すんだ」。ロペス、宮崎と調子のいい打者を入れ替え、5番に据えた。ヒントになったのは“原戦略”だ。「戦略として影響を受けた。常に4番の後ろに質の高い5番を置いていたからね」という巨人・原前監督流の兵法で予言通り、名実ともに日本一の打者へと独り立ちさせた。

 4月には2度の5連敗を喫し、最大借金は11に膨れた。その間、中継ぎの継投、打線の組み替えと失敗が続いた。「監督の中途半端な決断で負けた試合もあった」と吐露する。「成績とは関係ない」と笑ってストレスを否定するが、食べ過ぎがたたったのか体重は8キロ増え、一時110キロになった。

 心に決めたのは、選手の個性を正しく理解すること。「それぞれ何ができて、何ができないのか。もっと早く気付ければ良かったとも思う」。この日先発した日本人野手全員が20代の生え抜き。“ラミ・チルドレン”が躍動し、「今は自信を持って使うことができるよ。家族と、その一員のような気持ち」とほほえんだ。

 来日16年目。一つの夢が芽生えた。「将来、日本で私のミュージアムを開きたいんだ」。名球会のジャケットや現役時代に獲得したトロフィーを展示し、楽しんでもらう。そしてこの日、新たなウィニングボールも加わった。「1勝目の時以来だ。宝物になるよ」と笑った後で「ここから巨人とどう戦うかに集中する。もちろん、日本シリーズも狙う」と勝負師の顔になった。

 シーズン中、試合後の会見は必ず、こう言って締めていた。「Tomorrow is another day」。勝っても負けても、明日は新たな一日になる―。そう信じて前を向き、戦い抜いたラミレスDeNA。雨がやめば「CS」という、かつてない明日がやってくる。(神原 英彰)

 ◆アレックス・ラミレス 1974年10月3日、ベネズエラ出身。41歳。98年にインディアンスでメジャーデビュー。01年からヤクルト、巨人、DeNAでプレー。14年にBCリーグ・群馬に入団も10月に現役引退した。首位打者、本塁打王2度など、数々のタイトルを獲得。13年にNPB通算2000安打を達成し、外国人初の名球会入りを果たした。今季からDeNA監督に就任。180センチ、105キロ。右投右打。

最終更新:9月20日(火)8時35分

スポーツ報知

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