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<最古釣り針>今も昔も旬のカニ…旧石器人、多様な食生活

毎日新聞 9月20日(火)5時1分配信

 旧石器人はフィッシングもして、海や川の動物を利用した食生活をしていた。沖縄県南城市のサキタリ洞遺跡で出土した世界最古の釣り針や魚の骨は旧石器人の水産資源利用の実態を示す初の資料となった。狭い島内では陸上動物が乏しいため、食料を補うためと考えられる。カニは季節の旬を選んで捕獲していたことも判明。現代人の食生活に通じる姿が浮かび上がった。

【旧石器人もフィッシング…世界最古、貝製釣り針出土】

 同遺跡で出土した水産資源の遺物は、海魚の骨、川のウナギの骨、モクズガニのはさみ、巻き貝のカワニナの殻など。遺物の3~4%が焼けていた。沖縄県立博物館・美術館の藤田祐樹主任は「ゆでるか、蒸すかしていたのだろう。一部の食べかすが火の近くに落ちて焼けて残った」と推測する。

 遺物で目を引くのは大量のモクズガニとカワニナ。2万年の間の地層から出土する総計は各1万点以上。遺跡が生活の場として使われ続けた証拠になる。藤田主任は「狭い島では陸上資源が乏しく旧石器人が生活できなかったとの仮説があったが、実際には川や海の資源がたくさんあれば生活できることが分かった」と話す。

 この二つは、秋の季節に集中的に採取していたことも分かった。モクズガニのはさみから甲羅の大きさを推定すると約9~8センチと同種の最大級。川で育ったモクズガニが産卵のため秋に海に下る時期に当たる。カワニナに含まれる酸素同位体を測定すると、秋に最も多く採取していた。

 遺跡近くの川には今もモクズガニとカワニナが生息する。藤田主任は「モクズガニが大きくなる秋を選んで採取しており、カワニナも一緒に捕った。卵を抱えて栄養も蓄えたカニがおいしくなる旬が分かっていたのでは」と想像する。

 出土した釣り針に注目するのは海部陽介・国立科学博物館人類史研究グループ長。「水面をのぞいて上から魚を突き刺すのではなく、餌をつけた釣り針で引っかけるというのは先進的な文化だ」と指摘する。【大森顕浩】

最終更新:9月20日(火)8時43分

毎日新聞

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