ここから本文です

国連が狙われた?爆発現場は本部から2キロ弱 容疑者逮捕もNYは不気味な緊張感

夕刊フジ 9月20日(火)16時56分配信

 オバマ米大統領、安倍晋三首相ら各国首脳が集まる国連総会の開催時期(19日から)をねらったかのようなニューヨークの爆発事件。事件に関与したとみられる男が19日、逮捕されたが、要人保護のためハイレベルな警備体制が敷かれるなかでの惨劇に衝撃は広がり続けている。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ以降、再び起きた事態にテロリズム封じ込めの難しさを改めて印象づけた。

 17日に発生し29人が負傷した爆発事件の場所は、マンハッタン南西にあるチェルシー地区で、19日に国連総会が開幕した同本部から直線距離で2キロも離れていない。毎年9月に開かれる総会に備え、要人保護のため同本部付近は厳重な警備体制が敷かれる。その最中で起きたテロ行為だけに衝撃は大きく、ニューヨークを不気味な緊張感が覆っている。

 捜査当局は19日、事件に関与した疑いがあるとして指名手配していたアフガニスタン出身でニュージャージー州に住む米国籍の男、アハマド・カーン・ラハミ容疑者(28)を同州内で発見、銃撃戦の末に逮捕した。同容疑者は負傷して病院に搬送。警官2人もけがをした。いずれも命に別条はないもよう。

 ニューヨーク、ニュージャージー両州では17日から18日にかけて爆発や爆発物の発見が計4件あり、捜査当局は、いずれもラハミ容疑者が関与した連続爆破事件とみている。複数の人物が関係したとの情報もある。

 ニューヨーク・タイムズ紙によると、ラハミ容疑者はシーサイドパークから約80キロ北のニュージャージー州エリザベスに居住。エリザベスでは18日夜、パイプ爆弾とみられる5つの不審物が見つかり、捜査当局の処理中に一部が爆発した。捜査当局は19日朝、エリザベスの関係先を捜索した。

 ニューヨークの17日夜の爆破現場と、その近くで手製爆弾が見つかった場所の2カ所では、同一人物とみられる男が同じような大きなバッグを運んでいたことが判明。捜査当局はラハミ容疑者の可能性が高いとみている。2カ所の爆発物は、いずれも圧力鍋を使った同型の手製爆弾だった。

 事件との関連は不明だが、容疑者の父親はニュージャージー州内で飲食店を経営。父親は営業時間をめぐり地元当局と訴訟になり、この中で「イスラム教徒であることを理由に差別されている」と訴えたことがある。

 イスラム過激派に詳しい軍事評論家の黒井文太郎氏は「容疑者がIS(イスラム教過激組織イスラム国)なのか、アルカイダに関係しているのかは判明していないが、イスラム過激派との関連がある場合、彼らにとって米国人は敵になる。特にISはビデオなどを介して『ニューヨークで爆弾テロをやれ』としきりに呼びかけてきた。容疑者はそれに感化された可能性がある。事件に関与した人物が複数いるとの指摘があるため、まだ終わったわけではない。第2、第3の事件が起きかねず、FBIも警戒している」と話している。

最終更新:9月20日(火)17時21分

夕刊フジ