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<台風10号>避難長期化 ストレス表面化

河北新報 9月20日(火)10時48分配信

 台風10号豪雨被害から3週間となる岩手県岩泉町で、長期化する避難所生活に被災住民が疲労の色を濃くしている。共同生活でストレスをため、心身の不調を訴える声が増えており、町は看護師らを派遣してケアに当たる。生活基盤の復旧が長引いているため、町は被災を免れた世帯を含め全約4500世帯を対象に健康訪問調査を開始。町民の健康維持に全力を挙げる。

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 「知らない人と寝起きを共にするのは気苦労が絶えない。日増しに疲れがたまっていく」。124人が避難する岩泉町民会館に、1人で身を寄せる同町岩泉向町の無職佐々木エミさん(74)が打ち明ける。

 自宅1階の天井近くまで浸水。2階に逃れ、翌朝、消防士に救出された。脳梗塞と糖尿病を患い、薬の服用とインスリンの注射が欠かせない。保健師がすぐに手配してくれたが、慣れない環境の中、持病の悪化を心配する。

 町内では19日現在、4カ所の避難所に計343人が暮らす。被災から3週間となり、当初は気が張り詰めて抑えられていた心身のストレスが表面化する懸念がある。避難所では相談コーナーや健康管理コーナーを設け、社会福祉士や看護師らが目配りする。

 町民会館に派遣された済生会岩泉病院の看護師有原裕子さん(33)は「今後の生活への不安や不眠を訴える人が多い。お年寄りの血圧は被災前より高く、乳幼児が騒がないように母親は相当気を使っている」と現状を説明する。

 町は7日から、在宅被災者や被災しなかった住民を含めた訪問調査に乗り出している。岩手県健康国保課によると、今月末まで各市町村から延べ約280人の保健師を投入し、全世帯を回る。

 同課の担当者は「全体像を把握し、被災の有無にかかわらず支援の必要があるかどうか確認する」と話す。

最終更新:9月20日(火)12時1分

河北新報