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<自民税調>配偶者控除見直し、問われる力量

毎日新聞 9月20日(火)8時30分配信

 ◇党内なお慎重論

 自民党税制調査会(会長・宮沢洋一元経済産業相)は来月にも、配偶者控除の見直しを軸にした所得税改革の議論に着手する。党内では新設された「働き方改革特命委員会」も議論を始め、すみ分けに配慮が必要なほか、家族のあり方に関わる問題だけに反対論もある。公明党にも慎重意見が根強い中で、権威低下が指摘される党税調が調整力を発揮できるかが問われている。【大久保渉】

【図解】配偶者控除と夫婦控除の違い

 宮沢氏は今月13日、党税調会長の留任が決まった。宮沢氏は昨年10月、軽減税率導入に否定的なために更迭された野田毅前会長の後任となったが、官邸主導の導入方針を追認せざるを得ず、党税調の権威失墜と受け止められた苦い経験がある。

 しかし、配偶者控除の見直しは安倍晋三首相も前向きで、政権が重要課題に位置付ける「働き方改革」の方向に沿っており、歩調を合わせて推進できる環境にある。宮沢氏は8月下旬、記者団に「所得税の久しぶりの大改革を考えている。配偶者控除の見直しが一つの柱だ」と表明。年内の決着に向け、例年11月半ばに始める税調の検討作業を前倒ししたり、事前の勉強会で論点整理したりするなどの対応を検討していると明らかにした。

 配偶者控除は専業主婦世帯の税負担を軽減する仕組みで、「夫は仕事、妻は家庭」という高度成長期の家族モデルを前提にしており、共働き世帯が多くなった今の時代にはそぐわないとの指摘がある。一方で、党内の保守系議員の一部は、伝統的な家族のあり方の見直しにつながるとして反対している。公明党も最重視する来年夏の東京都議選を控え、増税世帯が生じる制度変更には慎重な声が根強い。

 15日に自民党が設置した、配偶者控除の見直しや長時間労働是正などを議論する働き方改革特命委の存在も、とりまとめに向けた波乱要因になり得る。委員長を兼務する茂木敏充政調会長は「現在の配偶者控除から、パート収入に上限のない夫婦控除に移行していく」などと具体的な制度設計に言及した。

 利害関係が複雑で専門性も高い税制改正は、党税調で議論を進めるのが自民党の慣習だ。茂木氏の踏み込んだ発言に対し、麻生太郎財務相は16日の記者会見で「政調会長から(税制改正の話が)きたのは過去何十年間で初めてだ。『茂木さんは税調会長になったのか』と思った人もいると思う」と強烈に皮肉った。党関係者は「今後、茂木氏が政調会長の立場から口出ししてくる可能性もある。年末に向け議論が混乱するかもしれない」と懸念している。

最終更新:9月20日(火)11時45分

毎日新聞

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