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量の柔軟化は日銀の信認を傷つける 白井さゆり・慶大教授(元日銀審議委員)

SankeiBiz 9月21日(水)8時15分配信

 --総括的な検証で、日銀はマイナス金利政策の効果と副作用を分析する

 「1月のマイナス金利政策導入の決定が、予想インフレ率を下げる方向に働いたのは明確だ。(国債などの)資産買い入れに限界がきたとの印象を与えてしまった。政策そのものというよりもタイミングが悪かった。金融機関への打撃も大きく、金利が下がること自体が良いことか分からないところまできてしまった」

 --決定会合で反対票を投じたマイナス金利を主軸に据える可能性が高い

 「現状の大規模資産買い入れができなくなった際の最後の手段として導入すべきだった。導入した以上は、消去法として維持かマイナス金利の深掘りしかない。現状維持で踏ん張り、来年始めに資産買い入れの減額とセットで打ち出すべき。市場では現在の年80兆円の国債購入量を70兆~90兆円に柔軟化すべきだとの指摘もあるが中途半端。下げるのか、上げるのか、維持なのかを明確にしないと、日銀の信認を傷つける」

 --物価上昇目標の2%がなかなか達成できない

 「原油価格下落のせいだけでなく、政策に対する疑問が大きく出たのではないか。家計と企業は2%インフレを支持せず、分相応の消費や必要最小限の投資しかしていない。2%目標は掲げ続けるべきだが、まずは1%を安定的に実現させる2段階のアプローチをとるべきではないか」

 --国債の大量購入、上場投資信託の購入、マイナス金利政策以外の選択肢は

 「銀行債などの購入があり得るかもしれない。ただ、外債購入は現実的ではなく、社債購入も市場が小さく需要が多いので買うべきではない。上場投信も大量に買い入れており市場をゆがめている。金融政策をこれ以上複雑にすべきではない」

最終更新:9月21日(水)8時15分

SankeiBiz