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バンコク都市鉄道、旅客数が低迷 開業1カ月足らずで運賃値下げ

SankeiBiz 9月21日(水)8時15分配信

 タイの首都バンコクで8月に開業した都市鉄道「パープルライン」の旅客数が想定を大幅に下回っている。開業後2週間の1日当たりの旅客数は当初予測の約6分の1に低迷した。高い運賃と利便性の欠如などが要因だ。計画が予定通り進んでいないといった問題点が指摘されるなか、開業から1カ月足らずで運賃引き下げを決めるなど、前途多難な出発となった。現地紙バンコク・ポストなどが報じた。

 パープルラインは、バンコク北部タオプーンと北部ノンタブリ県バンヤイを結ぶ16駅、総延長23キロの高架鉄道だ。悪化するバンコクの交通渋滞の緩和に向け2009年に着工。事業費は日本の円借款で賄われ、JR東日本、丸紅、東芝の企業連合が車両製造や信号システム、メンテナンスなどを手掛ける。

 タイ大量高速輸送公社(MRTA)は当初、同鉄道の1日当たりの旅客数を12万人と予測していた。しかし、開業後2週間の旅客数は同2万人にとどまった。

 旅客数が伸びない要因として、割高な運賃が挙げられる。同鉄道は開業時初乗り運賃を14バーツ(約40円)、全区間の運賃を42バーツと設定した。一方、同じルートのバス運賃は25バーツだ。旅客数低迷を受け、MRTAは急遽(きゅうきょ)、運賃の引き下げを決定し、今月から全区間の運賃を31%引き下げ29バーツとした。

 さらに、同鉄道が敬遠される要因が利便性の悪さだ。当初、パープルラインはバンコク中心部につながる地下鉄ブルーラインに接続される計画だった。しかし、ブルーラインのバンスー駅からパープルラインのタオプーン駅への延伸工事が間に合わず、約1キロ離れた同区間で無料シャトルバスを運行するという“見切り発車”でパープルラインは開業した。利用者からは、通勤時間帯はシャトルバスが渋滞に巻き込まれ、余計に時間がかかるとの声も上がっている。

 MRTAによると、運賃引き下げ後の旅客数の増加率も1割程度にとどまっている。プラユット首相は未完成の延伸工事について、完成を急ぐようMRTAに命じた。

 バンコク・ポストは社説で、パープルラインの旅客数が低迷するのは驚くことではないと主張。MRTAに対し、利用者の需要に見合った鉄道整備計画の遂行が必要だとし、今後の鉄道計画も同じ過ちを繰り返さないよう強く求めている。(シンガポール支局)

最終更新:9月21日(水)8時15分

SankeiBiz