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より強く、もっと速く! 建築女子もガチ勝負、木造耐力壁の綱引き大会[フォトレポート]

レスポンス 9/20(火) 12:00配信

静岡県富士宮市の日本建築専門学校で9月19日、「木造耐力壁ジャパンカップ」決勝が行われ、予選を勝ち抜いた8チームによるトーナメント戦で、四国職能大学校が総合優勝を、東大連合チームが強度・耐震・デザイン部門でトップを勝ち取った(写真50枚)。

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木造耐力壁ジャパンカップは、各チームが、およそ3メートル四方の実物大木造耐力壁1モジュールを組立て、その強度を競う大会。1対1で対戦し、足元を固定した状態で、最上部の桁をジャッキによって互いに引き合わせていく。そこでどちらかの壁が破壊したところで勝負が決まる。いわば木造耐力壁の綱引き大会だ。

◆大学、専門、プロ…決勝に勝ち進んだ8チーム

東京工業大学 坂田研究室
東京理科大学 高橋研究室
東京都市大学 大橋研究室
ポラス建築技術訓練校
ポラス暮し科学研究所
東京理科大学 永野研究室
四国職業能力開発大学校
東京大学 木質材料学研究室+東日本パワーファスニング+東京木場製材

「ジャッキはいいでしょうか」「オッケーです!」「コンピュータはいいでしょうか」「OKです」「それでは加力、スタート」。両チームを結ぶジャッキに圧が加わり、両者の木造耐力壁が引っ張られる。「30キロニュートンを突破しました」という声がかかるころ、いっぽうの木造耐力壁がバキッ、ミシッという音を立ててひし形に変形していく。これが敗者で、勝者は原型を保ったままでいる。

◆バキッと亀裂、負けた傷跡をみんなで観察

バキッ、ミシッ、バリバリバリ! 参加した学生たちは、どこでどう亀裂が入ったか、破損の状況を細かくカメラで収録。東大、東工大、都市大、理科大の女性たちは、熱心にその亀裂部分を観察し、「今後の強度向上への参考にしたい」と話していた。

勝者側の木造耐力壁も、対戦を重ねるごとにダメージを受けるので、勝ち進むには、総合的な耐力と、対戦してきた相手の強弱がカギとなる。

前年の強度トップ、ポラス暮し科学研究所のチームは今回、木枠の中心に線路のかたちをした補強材を組み入れて参戦。「作品名は『軌道』。中間梁が線路の枕木のように見えるデザイン。線路が縦に敷かれたイメージで、高さ方向の自由製がポイント。特徴は、金輪を採用したこと、配管補修用のテープを巻いたことなど」とアピールしていた。

◆女子も巨大ハンマーで容赦なくぶっ壊す!

「壊れたら負け」ではなく、敗者はすぐに木造耐力壁の解体へとすすむ。解体作業は、スピードや正確性が求められ、コストパフォーマンスを含む総合評価のひとつに加えられる。ここでも男女の差はなく、女子たちも大きなハンマーを振りかざし、ドッカンドッカン壊していく。富士山麓の静かな建築学校に、ハンマーの打撃音が響き、オーディエンスの笑い声、拍手が起こる。

トーナメントで強度トップの位を獲得しても、総合評価(耐震性、デザイン性、材料費、加工費、施工費、環境負荷費など)で優勝は違うチームになるということもある。今大会の決勝は、ポラス暮し科学研究所チームと東大連合チームの一騎打ちとなった。

◆強度トップは東大連合、総合は四国職能大学校

「一般の耐力壁は、斜めに材木が入っている“筋交壁”をさすが、この大会に参加している耐力壁は、一般的な耐力壁の3~4倍の強さをかね備えている。たとえばクルマのガレージなどの場合、クルマが出入りする間口を広く取るため、その両サイドの壁面は、強化されたものが求められる」(大会関係者)

今大会のトーナメント優勝(強度トップ)は、ディフェンディングチャンピオンのポラス暮し科学研究所チームを下した東京大学 木質材料学研究室+東日本パワーファスニング+東京木場製材の“東大連合チーム”。そしてジャパンカップ総合優勝(総合評価トップ)は四国職業能力開発大学校が選ばれた。

同大会は、「安全な木の家づくり」を目指し、自然災害に負けない強い木造耐力壁を生む“技術発掘の場”となり、商品化にもつながるという。



《レスポンス 大野雅人》

最終更新:9/20(火) 12:00

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