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Core i5搭載のファンレス2in1「Switch Alpha 12」

Impress Watch 9月20日(火)6時0分配信

 日本エイサーは、法人向け2in1タブレット「Switch Alpha 12」を発売した。着脱式キーボードを備えるタブレット型2in1 PCで、CPUとしてCore i5を採用しながらファンレス仕様を実現している点が大きな特徴となっている。今回は、メモリ容量や内蔵ストレージ容量の少ない下位モデル「SA5-271P-A54Q/S」を取り上げる。

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■2in1タブレットPCとしてオーソドックスなデザイン

 Switch Alpha 12は、カバー型キーボード着脱式の2in1タブレットPCだ。背面にキックスタンドを備えて本体を自在に自律させ、付属のカバー型キーボードを装着することでクラムシェルノートPC相当としても活用でき、付属のスタイラスペンを利用したペン入力にも対応していることから、Surfaceシリーズを始めとする競合の2in1タブレットPCを強く意識した仕様となっている。

 本体デザインは、2in1タブレットPCとして比較的オーソドックスなものとなっている。4角や背面側の4辺は曲線を取り入れていることもあって、直線的な製品に比べて無骨な印象は弱くなっている。

 本体素材は、側面部分は樹脂製だが、背面にはアルミ製の素材を採用したパネルが利用されている。これは、後述する「Acer LiquidLoop」を利用した放熱を高める意味と、軽さと強度を両立させるため、という意味があると思われる。このアルミパネルは表面がヘアライン仕上げとなっているため、見た目にも高級感が感じられる。

 背面には、本体を支えて自律できるキックスタンドを備えるが、このキックスタンドは本体側面をU字型に囲むフレーム型のスタンドとなっている。また、無段階の角度調節にも対応しており、液晶面の角度を最大165度まで自在に調節可能となっている。付属のカバー型キーボードを装着してクラムシェルノートPC相当として利用する場合はもちろん、対面でのプレゼンや動画視聴といった場面でも快適な利用が可能だ。

 タブレット本体のサイズは、約292.1×201.4×9.5mm(幅×奥行き×高さ)となっている。2in1タブレットPCとしてはやや大きい部類ではあるが、液晶ベゼル幅はそれほど太くなく、12型液晶パネルを採用していることを考えるとまずまずコンパクトにまとめられている。

 重量は、公称が約900g、実測では917gだった。競合製品のSurface Pro 4が800gを切る軽さ(Core i5搭載モデルで約786g)を実現していることを考えると、やや重いという印象。また、付属のカバー型キーボードを装着した場合の重量は約1,250gと、1kgを大きく超えてしまう。この重量は、モバイル用途として不利というほどではなく、十分な携帯性を備えると言っていいが、やはり競合製品に比べて重いという点は少々残念な部分だ。

■Core i5搭載2in1タブレットとして世界初のファンレス仕様

 本体の仕様はオーソドックスではあるが、Switch Alpha 12には競合製品にない特徴がある。それは、CPUとして第6世代Core i5を採用しながら、ファンレス仕様を実現しているという部分だ。Core i5を搭載しつつファンレス仕様を実現するのは、タブレットPCとして初とのこと。

 熱に対してシビアなタブレットPCで、Core i5を搭載しつつファンレス仕様を実現できたのは、Acer独自の冷却機構「Acer LiquidLoop」を採用しているからだという。Acer LiquidLoopは、ヒートパイプを利用した液冷方式とのことで、ポンプなどの動力不要で、熱によって冷却液が自然循環するヒートパイプを用意し、そのヒートパイプにCPUの発熱を伝えることで効率良く放熱しているとのこと。

 この機構の採用によって、高性能Core i5を搭載しつつ、無音での利用を可能としている。実際に、利用時には動作音はまったくしない。高性能CPU搭載のタブレットPCでは、高負荷時に空冷ファンが勢いよく回転し、かなりうるさく感じることもあるが、Switch Alpha 12ではそういったことはない。これなら、図書館など静かな場所での利用も安心と言える。

 なお、CPUの熱はヒートパイプを通して本体へと伝わり、外部へと放出されることになる。そのため、背面はほぼまんべんなく温かくなるという印象。そして、高負荷時にはかなり熱くなるようだ。実際に高負荷のベンチマークテストを実行している状態で背面の温度を計測してみたところ、50℃を超える部分も確認された。この温度では、手に持って利用するのはほぼ不可能という印象だ。ただ、高負荷な作業を手に持って行なうことはほぼなく、デスク上などに置いた状態で行なうことが多いと思われるため、それほど神経質になる必要はないはずだ。

■アスペクト比3:2の12型IPS液晶を搭載

 液晶パネルは、2,160×1,440ドット表示に対応する12型パネルを採用している。パネルの種類はIPSで、視野角は十分に広く、タブレットとして利用する場合でもどこから見ても明るさや発色の変化はほぼ感じられない。パネル表面は光沢処理となっているため、外光の映り込みはやや気になるものの、発色は十分に鮮やかで、ビジネス向け2in1タブレットPCとして必要十分な表示品質を備えていると言っていいだろう。

 表示解像度はフルHD超となっているため、十分な情報量を確保。そしてそれ以上に嬉しいのが、アスペクト比が3:2と、16:9のパネルに比べて縦の情報量が多いという点。ExcelやWordを利用する場合でも、フルHDパネル採用モデルよりも縦に多くの情報を表示でき、作業効率が高まることになる。それに加え、電子書籍を閲覧する場合でも、画面いっぱいに表示されることになり、より快適な閲覧が可能だ。

■Windows Ink対応のスタイラスペンが付属

 Switch Alpha 12には、標準でスタイラスペンが付属。10点マルチタッチ対応のタッチパネルによるタッチ入力だけでなく、スタイラスペンでの入力にも対応している。

 このスタイラスペンは、256段階の筆圧検知に対応しており、繊細なペン入力が可能で、ペン先への追従性も悪くない。ペン入力時に手の平が画面に触れるなどして誤動作を引き起こさないよう、パームリジェクション機能も搭載しているので、十分に軽快なペン入力が可能だ。

 また、ペン先を画面に近付け接触していない状態でペンの下ボタンを押すことで起動する、専用ランチャアプリ「Acer Hover Access」も用意。One NoteやFlash Paint、Windows Journalなど、あらかじめ登録されたペン入力対応アプリを簡単に起動できるように工夫。また、ペンの上ボタンを押すことで自動起動するアプリも設定可能となっているので、ペンの利便性を自在に高められる。ただし、設定できるアプリはプリセットされているアプリのみで、自由に選択できない点は残念だ。

 そして、このスタイラスペンは、Windows 10 Anniversary Update以降対応したペン機能「Windows Ink」をサポートしている。Switch Alpha 12自体はAnniversary Updateが施されていない状態での出荷となるが、アップデートすることで付属スタイラスペンを利用したWindows Ink機能の利用が可能となる。実際にAnniversary Updateにアップデートして試してみたが、Windows Ink Workspaceから付箋やワークスペースなどの機能を問題なく利用できた。

 2in1タブレットPCにとって、ペン入力機能は重要な選択ポイントの1つとなる。そして、標準でWindows Ink対応スタイラスペンが付属するという部分は、優位点になると言っていいだろう。

■カバー型キーボードは競合製品のものとほぼ同等

 Switch Alpha 12には、着脱式のカバー型キーボード「Acer FineTipキーボード」も標準で付属している。本体下部側面にマグネットで固定して利用するようになっており、閉じると液晶面を保護するカバーとして、開くとキーボードとして利用できる。キーボード後方側が折れ曲がり、液晶下部にマグネットで固定することでキーボード面の角度を2段階に調節できる点も、競合製品のカバー型キーボード同様だ。

 キーボードは、キーの間隔が開いたアイソレーションタイプ。主要キーのピッチは約19mmフルサイズで、ストロークも約1.4mmとカバー型キーボードとしては十分に深い。タッチは比較的硬めの印象で、クリック感も強めのため、しっかりとしたタイピングが可能と感じる。また、日本語配列で、無理のあるキー配列もほとんどなく、タッチタイプも余裕で行なえるはずだ。

 キーボード自体の剛性は、競合製品のカバー型キーボード同様に、それほど高くはない。利便性を大きく損なうほどに剛性が低いということはないが、クラムシェルノートPCのキーボードと比べると、どうしても気になってしまう。ただ、この辺りはカバー型キーボードの宿命であり、慣れでカバーできる部分とも言えるので、大きな問題とはならないだろう。

 キーボード手前には、タッチパッドも用意。物理クリックボタン一体型となっており、扱いやすさはクラムシェルノートPCのタッチパッドと遜色ない印象だ。

 カバー型キーボードの重量は公称約350gであり、競合製品のものと比べてやや重いのは少々残念。また高さは5.85mmと厚いが、ストロークの深さを考えると、こちらは納得の範囲内と言える。

■メモリ容量の少なさが気になる

 では、今回試用したSwitch Alpha 12 SA5-271P-A54Q/Sの基本スペックを確認しておこう。

 CPUは、冒頭でも紹介したように、第6世代Core i5-6200Uを採用。メインメモリは標準で4GB(LPDDR3-1866)と、必要最小限という印象。ビジネス向けということを考えても、できれば最低8GB搭載してもらいたかったように思う(上位モデルでは標準で8GB搭載)。内蔵ストレージは、容量128GBのSSDを採用している。

 無線機能は、IEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠の無線LANとBluetooth 4.0を搭載。無線LANは2×2通信に対応し、11ac時で最大867Mbpsの通信速度に対応する。Webカメラは、背面の約500万画素、液晶面に約200万画素と2系統搭載。センサー類としては、照度センサー、加速度センサー、ジャイロスコープ、電子コンパスを搭載する。

 側面のインターフェイスは、USB 3.0×1とUSB 3.1 Gen1対応のUSB Type-C×1、microSDカードスロット、オーディオジャックを備える。映像出力端子は備えないが、オプションの変換ケーブルを用意することで、USB Type-C経由での出力をサポートしている。

 内蔵バッテリの充電は、付属のACアダプタを利用するが、ACアダプタの接続はUSB Type-Cポートではなく、専用コネクタへの接続となる。そのため、USB Type-Cポート利用中に充電が行なえないということはない。ただし、付属のACアダプタ自体は比較的コンパクトだが、付属の電源ケーブルが太くかさばる点は、携帯性を損なうという意味で少々残念だ。

■ファンレスでもCPUの性能がしっかり引き出されている

 では、ベンチマークテストの結果を見ていこう。利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark 8 v2.7.613」、「3DMark Professional Edition v4.48.599.0」、Maxonの「CINEBENCH R15」、スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」の4種類。比較用として、同じCPUを搭載する超薄型クラムシェルノートPC「HP Spectre 13-v006TU」の結果も加えてある。

 結果を見ると、一部でHP Spectre 13-v006TUを上回る結果が得られている部分があり、ファンレス仕様だからといって、放熱性能が足りずにCPUの性能を引き出せていないということはなさそうだ。この結果を見る限り、性能面ではほぼ不安がないと言っていいだろう。

 次にバッテリ駆動時間だ。Switch Alpha 12 SA5-271P-A54Q/Sの公称のバッテリ駆動時間は約8時間(計測条件は未発表)とされている。それに対し、Windowsの省電力設定を「バランス」、バックライト輝度を50%に設定し、無線LANを有効にした状態で、BBenchでキー入力とWeb巡回にチェックを入れて計測したところ、約5時間57分を記録した。公称の8時間に対して約6時間ほどの駆動時間なら、まずまず想定の範囲内と言ってよく、バックライト輝度を下げるなどすれば、8時間前後の利用も実現できそうだ。

■一般ユーザー向けの販売開始に期待

 Switch Alpha 12は、本体の仕様や脱式のカバー型キーボード、スタイラスペンなど、2in1タブレットPCとして、競合を強く意識した製品に仕上がっている。そういった中で、カバー型キーボードやスタイラスペンが標準で付属していたり、独自のシステムを利用してCore i5搭載ながらファンレス仕様を実現するなどの特徴を実現することで差別化を図っている。完成度は競合製品に負けておらず、十分に対抗できるだけの魅力を備えていると言っていいだろう。

 それだけに、法人向けとして位置付けられ、現時点で一般ユーザーへの販売が公式に行なわれていないという点は少々残念だ。これだけの完成度なら、一般ユーザーからも十分に支持を得られると思われるので、早い段階で一般ユーザー向けの販売を実現してもらいたい。

PC Watch,平澤 寿康

最終更新:9月20日(火)6時0分

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