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iPhone 7始めました

Impress Watch 9月20日(火)6時0分配信

 AppleのiPhone 7およびiPhone 7 Plusの販売が9月16日より開始された。既にアップルストア、通信キャリア、量販店などで販売が行なわれているため、入手した読者の方も少なくないだろう。

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 筆者も過去にはiPhone 4、iPhone 5、iPhone 5cなどを購入してきたが、いずれもサブ機として利用しており、メインのスマートフォンに利用したことがなかった。その最大の理由は複数の電子マネーをスマートフォン1台でまとめることができる“おサイフケータイ”の機能がiPhoneシリーズには欠けていたからで、それがサポートされない限りはiPhoneがメインになることはないと考えていた。

 ところが、iPhone 7とiPhone 7 Plusでは、FeliCaの機能を取り込んだ日本版Apple Payの機能が搭載されており、おサイフケータイで利用可能な電子マネーの一部(Suica、iD、QUICPay)を10月からサポートすると発表されたのだ。これで最大の障害がなくなる(予定)。

 なので、これから本格的にiPhone 7を導入して、現在利用しているおサイフケータイ対応のAndroidと平行して評価していきたいと考えている。今回の記事では、その最初として、iPhoneを本格的に始めた筆者の視点で、iPhoneとAndroidスマートフォンを比較していきたい。

■ゼロだった電子マネー対応が、ゼロでなくなったiPhone 7シリーズでのApple Pay対応

 これまで、筆者がメインのスマートフォンとして利用してきたのは、一貫して日本の通信キャリアが販売してきたAndroidスマートフォンだった。例えば、現在利用しているのは、ソニーモバイルコミュニケーションズ(以下ソニーモバイル)の「Xperia X Performance」で、NTTドコモからSO-04Hとして販売されているものだ。

 先述の通り、これまでそうしてきた最大の理由は、おサイフケータイの存在だった。おサイフケータイとは、Suica、Edy、nanaco、WAON、iD、QUICPayなどのプラスチックカードで提供されている電子マネーを、スマートフォンに内蔵されているFeliCaチップで代替させ、複数のカードを1つのスマートフォンでまとめる機能だ。

 筆者がおサイフケータイを愛用している最大の理由は、キャッシュレスかつお財布レスな生活を送りたいからだ。もちろん実際にはお財布を持ち歩かないわけにはいかないので、カバンの奥には入れているのだが、できれば1日それを出さずに生活したい、そのために必要なのがおサイフケータイなのだ。

 電子マネーは複数の種類があり、お店によって使える電子マネーが異なるため、どこのお店でも使えるようにと考えると、複数枚のプラスチックカードを持ち歩く必要があり、結局財布に入れて置く必要が出てくるので、お財布レスにはできない。

 1カ月のうち半分ぐらいの日はリアル財布を出さないでこと足りている。このように、筆者の生活はかなりおサイフケータイに依存していたので、既にそれがない生活は考えられなくなりつつある。このため、おサイフケータイに対応してこなかったiPhoneシリーズは選択肢となり得なかった。

 しかし、9月の上旬でサンフランシスコでAppleが行なった発表会で、AppleはiPhone 7/iPhone 7 PlusにFeliCaの機能を取り込んだApplePay(Appleが展開する電子マネーのプラットフォーム)を日本向け製品で展開すると発表した。これにより、iPhoneがAndroidスマートフォンに変わる選択肢として赤丸急上昇になったというわけだ。

 ただ、現時点で10月とされているサービス開始時に対応する電子マネーは、Suica、iD、QUICPayの3つのみで、Androidのおサイフケータイで対応しているものと比較すると、足りていないという現状は指摘しておく必要はある。

 このため、現状では一部機能しか代替できないが、ゼロが0.2ぐらいになったわけで、大きな進化と言える。現在は対応していないEdyやnanacoなども、日本のスマートフォン市場シェアの半分以上はiPhoneであることを考えれば、順次対応してくると予想するのは容易だ。本格的に乗り換えるかどうかを、しばらくAndroidと平行して使ってみて決断するために、iPhone 7を買ってみたのだ。

 なお、今回筆者が購入したのはiPhone 7(モデルA1779、シルバー/128GB、MNCL2J/A)で、Appleのオンラインストアで販売されているSIMロックフリーモデルを選択し、90,504円(税込)に、保証の拡張サービスとなるAppleCare+2年分で15,984円の合計で106,488円となった。

■スリープ時にみるみるバッテリが減っていくAndroidとスリープ時にバッテリが減らないiPhone

 購入したiPhone 7を、これまで使ってきたXperia X Performance(SO-04H)と比較していこう。ハードウェア的なスペックを比較すると以下のようになる。

 以下、各ポイントでそれぞれを比較してどうかを筆者なりの視点でチェックしてみた。それぞれのポイントを写真を交えながら紹介していきたい。

□(1)外装・デザイン・ディスプレイ:引き分け

 2つの大きさを比較すると、縦横ともにXperia X Performanceの方がやや大きくなっている。これはXperia X Performanceの方が5型(iPhone 7は4.7型)とやや大きな液晶を搭載しているためだ。

 厚さに関しては、ぱっと見はiPhone 7の方が薄く見えるが、実はこれはデザインのマジックで、iPhone 7はカメラ部分だけが出っ張るデザインになっており、そこの部分の出っ張りを本来の厚さとして見ると、Xperia X Performanceとそう変わらない。従って、カメラの出っ張りをどう考えるかが、評価の分かれ目と言えるだろう。個人的には多少厚くても出っ張りがあるよりは、スクエアな方が好みだが、まぁそれは好みの問題だろう。

 ただ、身も蓋もない言い方だが、筆者個人としてはデザインというのは“なんとかは3日で飽きる”と一緒で、すぐに見飽きて慣れるものだと考えている。また、iPhoneの市場シェアが50%を超えていると言われている現在、スマートフォンを持っている人の2人に1人はiPhoneなのだから、持ってることで人と差別化できるグッズでもなくなっている。かつ多くの人がケースに入れて使っているという現状を考えると、そんなに重要なポイントではないのかなとは思う。

 ディスプレイに関しては、Xperia X Performanceが5型/1,920x1,080ドット、iPhone 7が4.7型/1,334x750ドットと、解像度や大きさの点ではXperia X Performanceの方が大きく高精細だ。ただ、このサイズでこの解像度の違いが大きく使い勝手や表示品質に影響するかと言われればそうではないと思う。筆者にすればこのサイズのディスプレイとしてはどちらも十分で、実用上に大きな差があるとは思えない。

□(2)SIMカードスロット: Xperia X Performanceの圧勝

 SIMスロットの使い勝手に関してはXperia X Performanceの圧勝だ。iPhone 7は、ピンを使わないと取り外せない形のスロットになっており、ピンを常に持って歩くか、どこからかクリップなどピンの代わりになるものを調達しなければならない。これに対して、Xperia X Performanceではツメの先で引っかけて取れる形のスロットになっており、道具がなくても外せる。ビジネスユーザーで世界各地を飛び回っているユーザーであれば、現地のSIMに入れ替えてという機会も少なくないだろう。その意味ではiPhoneのピンを必要とするSIMスロットは不便だ。

 ただ、国内だけで使う一般的なユーザーで有れば、SIMカードを入れ替えることはほとんどないだろうから、さほど大きな問題ではない。

□(3)指紋センサー: 引き分け

 両製品とも指紋認証の機能が用意されているが、実装方法は異なっている。iPhone 7はホームボタンと呼ばれる画面下部の中央にある丸いボタンが指紋センサーになっている。ただ、このホームボタン、ボタンの形はしているが、実際にはボタンではなくてタッチ型の指紋センサーそのものだ。強めに押すと、それを認識してセンサーとして動作する形になっている。この時に、3段階でフィードバックがあるように設定されており、“ボタンを押したかのようなフィーリング”を実現している。

 従来の物理的に沈み込むボタンに比べて感覚は違うため使いにくいとする向きもあるようだが、前の世代と感覚が違うのは事実だが、慣れるまでの時間にそんなに大きな違いがあるとは思えない。数時間使っているうちに慣れて、今ではまったく違和感がなくなっている。前の世代と利用感が違うと、使いにくいというのは別の議論だ。筆者はiPhone 7の新しいホームボタンが、前の世代に比べて著しく使いにくいとは思えないし、いわゆるラーニングカーブと呼ばれる慣れるまでの時間も著しく増えているとは思わない。なお、指紋は5つまで登録できる。

 Xperia X Performanceの方は、本体の右側面に電源ボタンと一体型の指紋センサーが用意されている。こちらも電源ボタンを押せば指紋認証が済んでロックが解除させれるので使い勝手は良い。ただ、1つだけ難があるとすれば、ロックは解除したくないんだけど時計だけみたいという時に指紋登録してある指で電源ボタンを押すとロックが解除されてしまうこと。その場合は登録していない指で指紋センサーをタッチするといい。指紋はiPhone 7と同じく5つまで登録できる。

□(4)テザリングの機能: Xperia X Performance(Android)が柔軟性がある

 PCを同時に持ち歩くモバイルPCユーザーにとって、スマートフォンのテザリング機能はWi-Fiが使えないような場所でPCを使う時にPCをインターネットに接続させる手段として便利な機能の1つだろう。

 両製品ともテザリングの機能が用意されており、問題なく利用できる。違いは使い勝手だ。Android OSのXperia X Performanceは、Wi-Fiテザリングをずっとオンのまま、接続がなければ5分後にオフ、10分後にオフという設定が用意されている。このため、Wi-Fiテザリングをずっとオンにしたままカバンの中に入れておいて、必要な時に接続するという使い方ができる(ただしバッテリは消費する)。

 なお、以前のNTTドコモが販売するAndroidスマートフォンはテザリングをすると自社のAPNに強制的に変更されていたが、このXperia X PerformanceではNTTドコモ回線に繋がっている時だけその強制がされるようになっており、ドコモのMVNOや他社ネットワークのSIMを利用している場合でもテザリングを利用できるように仕様が変更されている。この点は、従来のNTTドコモから販売されているスマートフォンの問題とされてきただけに、改善されたことは望ましいことだ。

 iPhone 7はテザリングは設定でテザリングをオンにすると、見た目はずっとオンになっているのだが、スマートフォンがスリープしてテザリングに接続する機器がないと90秒後にWi-FiのSSIDのブロードキャスト(Wi-Fiネットワークに向かって自分のSSIDを公開すること)を停止する仕組みになっている。これを避けるには、iOSのテザリングの設定画面をずっと開いたままにしておく(つまり画面はずっと点灯したままで、多大なバッテリ消費になる)しかない。標準がこの仕様なのは致し方ないとしても、設定で変更する項目は一切用意されていないのはいただけない。ぜひ、ずっとオンにしておく設定は用意して欲しい。

 ただ、iOSの名誉のために追記しておくと、クライアントがiOS機器やMacである場合には、クライアントからリモートでテザリングをオンにする機能が用意されており、これはこれで便利だ。しかし、Windows OSやAndroidといったApple以外の機器からはこれが利用できない。Appleにはほかのプラットフォームでもこの機能を利用できるようにするか、iOSにテザリング時の省電力を無効にするという設定を用意して欲しいものだ。

□(5)SIMロックフリー/海外のLTEバンドへの対応: iPhone 7の圧勝

 SIMロックフリーへの対応という点では、最初からSIMロックフリー機がオンラインストアやリアルなApple Storeなどで購入できるiPhone 7の方が優れている。その一方で、Xperia X Performanceは回線と一緒でないと買えないという時代遅れな販売方法しかないし、SIMロックフリー機は販売されておらず、購入後に通信キャリアでSIMロックを解除してもらう必要がある。かつ契約から6カ月経たないとSIMロックを解除できないという点も減点だ(機種変などで前の解除から6カ月以上経っていれば即時可能だ)。ぜひともソニーモバイルには、自社の販売ルートで、最初からSIMロックフリー機を販売して欲しい。

 LTEの対応バンドに関しては、両社ともに公開されており、公開資料を基に作成したのが以下の表3となる

 これを見て分かる通り、iPhone 7の圧勝だ。例えば、米国で使う場合、バンド4(T-Mobile USのメインバンド)やバンド17(AT&T Wireless)への対応がされているとLTEで通信できるが、Xperia X Performanceはバンド17には対応しているが、バンド4には対応していない。

 もちろんキャリア専用として販売されているXperia X PerformanceとSIMロックフリーとして販売されているiPhone 7では差があって当然だが、それでも海外で使う場合、事実上どこの国にいってもLTEで通信できるiPhone 7と国や通信キャリアを選ぶXperia X Performanceの差は小さくない。

□(6)省電力: スリープ時のバッテリの減らなさ具合ではiPhone 7の圧勝

 省電力という観点で言えば、iPhoneというよりも、iOSがAndroidよりも圧倒的に優秀だと筆者は考えている。ユーザーの実利用環境では、バッテリ消費というのは大きく言って、

ユーザーが画面を付けて何かのアプリケーションを使っている時(アクティブ時)画面がオフになっており、CPUがスリープモードに入っている時(スリープ時)

という2つの状態がある。前者に関してはiOSであろうが、Androidであろうが基本的に大きな違いはない。電力消費の大部分はディスプレイであり、OS側が工夫してもそんなに大きな違いは出ない。つまり、Pokemon Goのような常にディスプレイやCPUなどをアクティブにして使うアプリケーションを使っている時のバッテリ駆動時間を延ばしたいなら、大容量の外付けバッテリなどを使うしかない。

 これに対して、後者には大きな違いがあり、実はここがAndroidがもっとも苦手としている部分であり、iOSが優秀とされている部分だ。Androidはマルチタスクが当たり前のLinuxをベースに開発され発展してきた歴史もあり、最初からアプリケーションはマルチタスクで動作する。アプリケーションがバックグランドに回っても動作するため、複数のことをやらせようとすると便利なのだが、その反面バックグランドに回ってもアプリケーションが動作し続けるため、ディスプレイが切れてOSがスリープしようとしているのにアプリケーションは動作し続け、CPUがより深いスリープモードに入ることを阻害してしまう面がある。せっかくスリープしているのにCPUは動き続けることになるので、無駄なバッテリ消費が発生する。

 これに対して最初からモバイル機器を意識して設計されたiOSでは、バックグランドに回ったアプリケーションの動作は意図的に停止するようになっている。そうすることで、CPUはより深いスリープモードに入ることが可能になり、無駄なバッテリ消費が発生しないようになっている(実際には最近のiOSではアプリケーションのバックグランド動作を許可するオプションが用意されており、たくさん有効にするとAndroidと同じ問題が発生する)。

 このため、Androidではスリープしているのにバッテリが減っていくという減少がよく発生するのに対して、iOSデバイスではそれが発生しないというのが一般的だ。ただ、Androidの開発者もその問題は認識しており、Android 6.0以降にはDozeモードと呼ばれる、スリープ時にはバックグランドで動いているアプリケーションを強制的に停止させてそうした無駄なバッテリ消費を起こさないようにする仕組みが入っている。Xperia X Performanceの省電力機能である“STAMINAモード”では、そのAndroid 6.0のDozeモードを有効にして、スリープ時の無駄な電力消費を避けるようになっている。

 このDozeモードではホワイトリスト型式でバックグランドで動作して良いアプリケーションを指定する仕組みになっているのだが、Xperia X Performanceでは驚くべきことに、NTTドコモがプリインストールしているアプリケーションが強制的にホワイトリストに入っており、外すことができないのだ。せっかくのバックグランド動作を制限する機能なのに、制限できないアプリがあるというのではなんのための機能なのだろうか……と文句の1つも言いたくなるのだ。

 このことを考えても、ソニーモバイルはキャリア一辺倒の販売ルートだけでなく、自社ブランドのSIMロックフリーな製品を自社の流通ルートで販売すべきだと強く主張したい。

 今回はiPhone 7とXperia X Performanceをできるだけ同じように設定して(同じようにメールやSNSなどをバックグランドで動くように設定して)、どちらにも用意されているより省電力なモードは使わずに標準状態でディスプレイを切って放置してみたが、バッテリの残りパーセントが以下のようになっていた。

 見て分かる通り、iPhone 7がほとんど減っていないのに対して、Androidの方はみるみるバッテリが減っていっている。既に述べた通り、Xperia X PerformanceではSTAMINAモードを使えばもっと消費電力は少なくて済む可能性があるが、同じ省電力機能を有効にしていない状態で、片方はほとんど減らないのに片方はどんどん減っていくという点は大きな不満だと言える。

 こうしたわけで、スリープ時に無駄に電力を消費しないスマートフォンが欲しいというのであれば、圧倒的にiPhoneが優れていると言えるだろう。

□(7)性能: A10 Fusionを搭載したiPhone 7が圧倒的な性能を発揮

 最後に性能をチェックしていこう。今回はCPUの性能をチェックするGeekBench 4、GPUの性能をチェックする3DMarkとGFXBenchの3つを行なった。参考までに9.7インチiPad Pro(A9X、2GBメモリ、32GBストレージ)の結果も掲載しておいたので参考にして欲しい。

 いずれのテストでも新しいA10 Fusionを搭載するiPhone 7が、QualcommのSnapdragon 820を搭載しているXperia X Performanceを大きく上回る高い性能を発揮していることが分かる。特に注目したいのは、iPhone 7が、A9Xを搭載する9.7インチiPad Proをも上回っているという点だ。

 A10 FusionはAppleの発表によれば高速なデュアルCPUコアと、高効率なデュアルCPUコアが、切り替わって動作する変則的なクアッドコアになっている。通常時にはメインのデュアルコアCPUが動作し、省電力時にはより小さなデュアルコアに切り替わるという、ARMのbig.LITTLEの仕組みと同じような形で動作すると説明されている。ただし、それがどのような形で動作するのか、具体的な説明はされていない。

 それにしても、シングルスレッドのテストで、Snapdragon 820を搭載するXperia X Performanceのマルチスレッドの結果に近い結果をだしているのはすごいとしか表現のしようがない。忘れてはいけないのは、Snapdragon 820は、Qualcommの最上位製品であり、現在多くのAndroidのハイエンドスマートフォンに採用されているSoCだということだ。

 グラフィックスのテストも同様で、いずれもSnapdragon 820を搭載しているXperia X Performanceを大きく上回っている。AppleはiPhone 7の発表会で、これまではコンソールゲームやPC向けにだけ提供されてきたF1 2016が、iPhone向けにも配信されると発表したが、GPUがこれだけの性能を持っていれば十分可能だと感じたことは付け加えておきたい。

 要するに、“A10 Fusionスゲー”に尽きると思う。それと同時に、ここまでやられてしまったQualcommは、次世代でどういうカウンターを打ってくるのか、それが楽しみだ。

■今回のiPhone 7シリーズの一番の注目は突き抜けた性能にあり

 以上のように、それぞれに良いところ、悪いところを詳しく見てきた。それぞれの項目を点数化するわけではないが、まとめると以下のようになる。

 こうした製品の評価の時に、筆者はいつも言っているつもりだが、“完全無欠のデバイス”とか、“至高のデバイス”などというものはこの世には存在しない。あるのは良い点、悪い点をそれぞれもったデバイスで、ユーザーはその中から自分の優先順位が高い点が優れている製品を選ぶというのが、正しい製品の選び方だと思う。

 その観点で言えば、特におサイフケータイを重視していた筆者にとってはiPhoneシリーズはこれまでそこが×だったため、選択肢に挙がらなかった。しかし、今回Apple Payに対応したことでそこが△になった。既に述べたように、現在日本で使われている電子マネー全てに対応しているわけではないが、そういうのは時間が解決していくことであって、徐々にAndroidのおサイフケータイと同じようなラインナップが揃っていき、△が○になり◎になっていくだろう。

 そしてそれ以外の部分に目を向ければ、iPhone 7のアドバンテージは新しいA10 Fusionを採用したことによる、Snapdragon 820搭載のハイエンドAndroidスマートフォンを引き離す突き抜けた性能だろう。現時点では、それを活かすアプリがたくさん有るかと言えば、そうではないかもしれないが、そういうものは鶏が先か卵が先かの議論であって、今後徐々に登場することになるだろう(例えばF1 2016のようなPCレベルのゲームのようなアプリだ)。

 そのほかにも、海外のLTEバンドに豊富に対応していること、SIMロックフリー版が販売されていること、スリープ時のバッテリがみるみる減っていくというAndroidスマートフォンにありがちなトラブルとは無縁なこともiPhoneのメリットと言える。

 むろん10月に開始される予定のApple Payがどれだけ実用的なのかは、実際にサービスが始まってから検証する必要があるが、高い性能やそのほか筆者が◎を付けたところを重視するユーザーであれば、iPhone 7を検討してみてはいかがだろうか。

PC Watch,笠原 一輝

最終更新:9月21日(水)13時45分

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