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格安スマホユーザーが海外でデータ通信を利用する方法

ITmedia Mobile 9月20日(火)12時56分配信

 「格安スマホ」デビューをしてMVNOと契約された方が困ることの1つが、海外でのスマートフォン利用です。現時点では、MVNOで国際ローミングを提供しているところはあまりありません。そこで今回は、MVNOを利用している人にお勧め、海外で利用できるプリペイドタイプのデータ通信サービスについてご紹介しようと思います。

【日本で買える海外プリペイドSIM】

●空港で借りられるレンタルWi-Fiルーター

 特にグループで旅行される方に適しているのが、空港で借りられるレンタルWi-Fiルーターです。事前にネットで予約をし、出発する前に空港のカウンターに立ち寄ってWi-Fiルーターと充電器を借ります。スマートフォンの設定は、過去にWi-Fiの設定を経験したことのある方には難しいものではありません。

 こういったサービスを提供する事業者はいくつかあり、料金は国により異なるものの、おおむね1日数百~千数百円程度で、これに旅行日数を掛ければ支払い総額の目安が出ます。例えば旅行先が1日980円のエリアだとしたら、6日間の旅行で5880円となります。

 ドコモの国際ローミングサービス「WORLD WING」の「海外パケ・ホーダイ」は、1日あたり1980~2980円ですから、レンタルWi-Fiルーターはかなりお安い計算です。帰国後は空港のカウンターに立ち寄り、Wi-Fiルーターを返却しましょう。

 使えるデータ量は数100MB/日程度と比較的多いので、容量を気にせず安心して使えることもメリットですが、何よりお勧めなのはグループ旅行のとき。グループの中の1人が持ち歩いていれば、同行するグループのメンバーも使えます。もし料金を人数割りすると考えればもっとお得な計算になります。

 反面、Wi-Fiルーターの所有者と別々に行動する場合は、通信できなくなります。旅先ではぐれてしまい連絡を取りたいなど、肝心なときに利用できないのは不便なので注意が必要です。またWi-Fiルーターのバッテリー残量を把握する必要があるのと、紛失や破損をした場合は弁償しなくてはならない点にも、あわせて注意しましょう。

●一度は挑戦したい現地のプリペイドSIM

 筆者が好んで利用するのは、現地のプリペイドSIMです。国により現地のMNOが提供するもの、MVNOが提供するものがあり、その料金水準もさまざまです。例えばタイでは、玄関口であるバンコクのスワンナプーム国際空港の到着ロビーにMNO各社のカウンターがあり、多くの観光客がSIMカードを購入しています。

 カウンターの係員とのコミュニケーションは料金表を指すだけでOK。慣れた手つきでSIMカードを交換し設定までしてくれます。料金は各社で多少異なりますが、私のケースでは1GBで約300バーツ(約900円)と非常に安価でした。

 オランダでは、玄関口のスキポール国際空港内の売店でMVNOのプリペイドSIMカードを購入できます。こちらはLTE対応のものが5GBまでで35ユーロ(約4000円)となり、最近の円高ユーロ安の影響もあって多少安価に購入できるようになりました。こちらもSIMカードのセットや設定まで店員にお任せできます。このように買う時には一定の煩わしさはあるものの、レンタルWi-Fiルーターのように携行品が増えることもなく、破損や返却といった心配がないのは気が楽です。

 このように思ったよりもハードルの低い現地SIMですが、いくつか注意しなければならない点があります。まず、お使いの端末がSIMロックフリースマホでない場合は現地のSIMカードは使えません。

 日本では、MVNO利用者の一定数がドコモやauのスマートフォンをお使いですが、こういったスマートフォンはそのままでは海外のプリペイドSIMでは使えませんので、あらかじめSIMロックを解除しておきましょう。

 最近のスマートフォンは対応通信方式や対応周波数が広いので、SIMロックを除けばほとんどの国で問題が生じることはないと思いますが、古いスマートフォンの場合は通信方式や周波数、(当該国の)技術基準なども気にする必要があるかもしれません。

 また、空港内の店舗では英語が通じることが多いものの、契約後のサポート窓口や残量確認用のWebサイトが現地語のみのケースが多いです。国によっては契約時に住所・氏名の登録が必要だったり、パスポートの提示を求められたりすることもありますので、心の準備をしておきましょう。

 現地の通信事業者によっては、日本で当たり前のオンラインサービスをブロックしている国もあるので要注意です。例えば中国では、現地のプリペイドSIMではGoogleマップやTwitterが使えません。

 何より気を付けないといけないのは、現地に行かないと買えるかどうか分からないことです。リピーターで、どこでSIMカードが買えるか把握しているような場合はともかく、初めての空港だと、SIMカードがどこで売っているか分からないケースもあります。大きな空港では売り場が増えているものの、地方空港を中心にSIMカードを買えるカウンターがない空港もたくさんあり、また空港にカウンターがあっても飛行機の到着時間によっては閉店しているかもしれません。

 最後に、SIMカードを抜き差しすることから、SIMカードスロットを開けるための道具(ピンなど。端末により有無や形状が異なります)は荷物の中に忍ばせておきましょう。到着時にSIMカードの抜き差しを店員にお任せできても、帰国後にSIMカードを戻せなくて困ります。

●増える海外旅行者向けSIMカード

 最近、少しずつ数が増えているのが、日本のMVNOが提供する海外旅行者向けのプリペイドSIMカードです。mineoや楽天モバイルは以前から提供していますし、筆者の所属するIIJでもこの8月から「IIJmio海外トラベルSIMサービス」を提供しています。これらのSIMカードは、上で紹介した現地プリペイドSIMに比べると高価ですが、日本で購入でき、かつ日本語でサポートを受けられることが最大の特徴となっています。

 一例として「IIJmio海外トラベルSIMサービス」を挙げます。まず、日本国内の家電量販店やIIJmioのWebサイトでSIMカードの入ったパッケージを購入します。次に、渡航前にSIMカードを端末に挿し、説明通りに動作確認を行います。国内では動作確認用Webページが表示されれば設定OKです。

 渡航前にデータ量をチャージすることで、14日間の間、海外42カ国でSIMカードが利用可能となります。チャージしたデータ量の残量確認も、使い切った後のリチャージも、いずれも日本語のWebサイトから可能なので、現地プリペイドSIMを利用の際に不安を感じる点はほとんどカバーされていると思います。

 現地プリペイドSIMで存在するオンラインサービスの制限については、一般に緩い、もしくはないようです。詳しくはサービス提供事業者にご質問ください。ちなみにIIJmio海外トラベルSIMサービスでは、中国国内でGoogleマップやTwitterの利用が可能です。

 データ通信料金は各社とも500MBあたり4000~5000円前後(この他に初回はSIMカード代金が必要)と、いずれのサービスも現地のSIMカードに比べるとお高めですが、現地プリペイドSIMの購入は不安……という方にお勧めです。

 デメリットとしては、現地プリペイドSIM同様に、SIMロックフリー端末でないと利用できない点が挙げられます。ドコモやauのスマートフォンをご利用の方はご注意ください。また、SIMカードスロットを開けるためのピンはくれぐれもお忘れなく!

●今後はもっと便利に?

 このように、MVNOの利用者に向けた海外でのデータ通信サービスはいくつかの選択肢があります。反面、MNOの国際ローミングサービスと違い、これらの海外用データ通信サービスでは、Wi-Fiルーターを別途持ち歩いたり、SIMカードを取り換えたりという手間があることは要注意でしょう。

 現在の日本のMVNOは、SIMカードをMNOからの供給に頼っており、その中身はMVNOにとってアンタッチャブルなものです。しかし今後、MVNO自身がSIMカード調達できるようになると、海外で利用できるSIMカードと、国内のSIMカードと1枚に重畳することで、将来的にはSIMカードの抜き差しが不要となるかもしれません。

 筆者の属するIIJでは、過去のこの連載でも説明した「HLR/HSS」を今後導入し、独自のSIMカードを提供していくことを、この8月30日に正式に発表しました。こういった取組により、将来的にはMVNOも国内通信と海外通信を1枚のSIMカードで提供できるようになり、MVNOの利用者がより便利に海外でのデータ通信をご利用いただける環境が整っていくものと思います。今は国内市場で競争しているMVNOも、将来は海外での通信サービスで競争するようになるかもしれませんね。

最終更新:9月20日(火)12時56分

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