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韓経:【時論】衰退型経済経路を変えるべき=韓国

中央日報日本語版 9月20日(火)14時3分配信

経済は常に動いていて、その方向は慣性に大きく支配される。すなわち、経済は特定の方向に進行する経路依存性がある。この経路を変えるのはかなり難しく珍しいことだ。これは経済活動を規定する制度が既得権や高い転換費用などのために変わりにくく、何よりも経済主導者の思考と行動が固定観念と慣行に支配されるためだ。特に経済環境の高い不確実性と短期実績で評価される今日の企業支配構造は、経済の経路依存性を高める。結局、経済体制の変化を伴う革命や経済危機でなければ、経済の画期的な方向転換は難しい。

韓国経済の進行経路はどうか。人口構造の急激な変化とともに産業の老齢化と躍動性低下で成長潜在力が落ち、所得格差が拡大する衰退型経路に向かっていることを否定しがたい。産業化の過程で見ると、1960年代以降、農業から製造業への産業構造転換を通じた生産性向上で中進国に入ったが、1990年代以降、製造業の停滞とともに高付加価値サービス経済への進展が壁にぶつかった状況だ。さらに世界経済の沈滞の中で各種規制立法と人気迎合的な政策で、衰退型経路への進行が加速している。良い職場とより良い福祉、安定した国防力を望むなら、経済経路の転換が求められる。

我々が新しく開くべき経済経路はどういうものか。この質問にはさまざまな意見があり、それは簡単には合意しにくい価値判断の問題を内包している。しかしこの問題を伏せておけば新しい経済経路の摸索は難しい。まず歴史的な経験と学術研究の結果を基礎に、こうした問題に関する客観的事実を把握しようとする努力とともに、専門家の討論と国民的な公論が形成されなければいけない。客観的な根拠が十分でない一方的な主張が極端に対立する価値分裂状態では、新しい経済経路の確立が不可能だ。

最も難しい問題は、市場に対する政府(国家)の適切な介入の程度と経済政策の目指す点になるだろう。市場と産業を先導しながらそのリスクと責任を分担してきた政府の保護者的役割はその効用性を喪失し、政府は市場と企業より賢いとは言いがたい。この問題は企業の構造改革と関連し、企業経営の責任の所在と「大馬不死(大企業はつぶさない)」を容認するかどうかなど市場規律の確立問題と直結する。

成長(効率性)と福祉(公平性)の優先順位も大きな争点だ。景気低迷が続く状況で、この問題は経済民主化などの名で最も敏感な政治イシューになるだろう。

では、経済経路の大転換のためには何が必要なのか。まず、転換のためには大討論が前提にならなければいけない。特に知識人と社会主導層を中心に激しい事実検証と建設的な論理対決が要求される。

次に我々全員の思考と行動の大転換が求められる。当然だと考えてきた固定観念と慣行を徹底的に疑い、客観的な検証を通じて転換したり捨てたりするべきだ。著名な経済史学者ディアドラ・マクロスキーが主張するように経済経路の大転換の代表的な例である産業革命の根底には、それまで蔑視されてきた企業家と企業活動に対する尊敬と自由の付与という社会意識の大転換があった。

韓国経済が衰退の道に向かっている兆候は十分だ。さらに既得権と固定観念で化石化した古い制度と思考、希望が見えない政界のレベルと姿、社会の行き過ぎた娯楽化と社会指導層の非道徳的利己主義は、良識ある市民を挫折させる。しかし韓国はさらに厳しかった時期にも「漢江(ハンガン)の奇跡」を起こした。今回も我々が自ら韓国経済の経路転換に成功すれば、それが第2の漢江の奇跡となるはずだ。

イ・チャンヤンKAIST(韓国科学技術院)教授・政策学

※本記事の原文著作権は「韓国経済新聞社」にあり、中央日報日本語版で翻訳しサービスします。

最終更新:9月20日(火)14時3分

中央日報日本語版