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迷走する武蔵野市保育所建設計画 運営事業者に近隣住民反発

産経新聞 9月20日(火)7時55分配信

 武蔵野市が吉祥寺地区で来年4月に予定する認可保育所の新設計画が迷走している。運営事業者が住民説明会も開かない段階で「近隣住民の合意を得た」として計画を申請。これを同市、都が承認したことで一部の近隣住民が強く反発した。事業者をめぐる問題発覚もあって、施設建設に着手できずにいる。

 この保育所は、吉祥寺駅まで歩いて10分ほどの同市吉祥寺東町の住宅地に開設を予定する「ましゅまろ保育園」。運営事業者は保育に新規参入する埼玉県所沢市の自動販売機管理会社で、約500平方メートルの敷地に鉄骨2階建ての施設を作り、0~5歳児66人の受け入れを計画している。

 今年4月時点で122人いる待機児解消を急ぐ武蔵野市にとって、地価が高く、まとまった空き地を見つけるのもままならない吉祥寺地区の新設計画は極めて貴重。同市、都は6月までに計画を承認した。

 しかし、事業者は4月に近隣住民にあいさつ回りをしたものの、初めて説明会を開いたのは7月。ある参加者は「細かいことは何も分からず、説明会とは名ばかり」だった。市側も「地元合意がないことが分かり、丁寧に説明する必要を感じた」という。

 反対派住民は9月市議会に「合意が得られていない」「保育所が面する道路の交通量が多く危険」などの理由で計画見直しを求める2通の陳情を提出。12日の文教委員会では、運営事業者が埼玉県三芳町で都市計画法に違反する建造物を設置していたことを明らかにして、「企業の倫理性を認めることができない」と主張した。

 それでも邑上(むらかみ)守正市長は同委員会で、「事業者にはいろんな課題がボコボコ出てきて不安な面があるが、(保育所)運営上不安ということはない。市も最大限支援して質の高い保育を実現する」と言い切り、計画推進に決意をみせた。

 今後、武蔵野市は「丁寧な説明を尽くして地元合意を得る」(邑上市長)と事態打開に取り組む意向。だが、反対派は見直しを求める姿勢を崩しておらず、施設建設が遅れ、来年4月に間に合わなくなる可能性も指摘されている。

最終更新:9月20日(火)8時17分

産経新聞