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<シリア停戦危機>米、手立てなく困惑 露の動向焦点

毎日新聞 9月20日(火)12時15分配信

 【ニューヨーク会川晴之、モスクワ杉尾直哉】シリア政府軍が19日、米国とロシアが主導した一時停戦の終了を宣言し、北部アレッポ県では人道支援物資を積んだ国連機関の車列が攻撃を受けたことに、米国は強い衝撃を受けている。米政府高官は「シリアでの和平努力への深刻な打撃だ」と発言。暴力の連鎖を止める有効な手立てはない。米国はアサド政権による空爆を疑っており、同政権に影響力を持つロシアの動向が今後の焦点だ。

 米国務省のカービー報道官はこの日午前の声明で、一部地域で救援物資搬入が始まったことを高く評価した。一時停戦が崩壊の瀬戸際にある中、最重視していた人道支援開始にかすかな光明を見いだしていた。しかし国連機関車列への攻撃で、状況は一変した。

 米国は今回の一時停戦で、人道支援に道を開き、過激派組織「イスラム国」(IS)掃討の新たな米露協力態勢構築を狙った。ヨルダンに「共同センター」を設立し、攻撃対象などの情報を共有する計画で、その先には5年以上も内戦が続くシリアでの和平実現を見据えていた。

 しかしカービー氏は19日夜に新たな声明を出し、車列攻撃を「米国は激怒している」と極めて強い調子で非難。「言語道断の停戦違反を受け、ロシアとの将来の協力を再検討する」と踏み込んだ。

 一方、今回の攻撃に先立ち、ロシア軍参謀本部のルツコイ作戦総司令部長はこの日、「(米国の支援を受けた)武装勢力が停戦を破っている以上、シリア政府に一方的に停戦順守を求めるのは無意味だ」と述べ、政府側の主張に理解を見せていた。

 こうした中、シリア内戦の政治的解決を目指す米露や国連など17カ国3機関で構成する「国際シリア支援グループ」(ISSG)は20日朝、ニューヨークで会合を開く。21日には各国首脳級が出席する国連安全保障理事会も予定され、事態収拾に向け取り組む。

最終更新:9月20日(火)15時37分

毎日新聞

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。