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NY爆発 チェルシー地区なぜ標的…雑多な繁華街、重点地域からやや距離 「警備の空白地帯」突く

産経新聞 9月20日(火)7時55分配信

 【ニューヨーク=松浦肇】17日のニューヨーク中心部で起きた爆発事件の現場となったマンハッタン南西にあるチェルシー地区は、高い知名度に比べ、当局の重点警備地域からは離れていた。「警備の空白地帯」だったがために、当局が拘束したアハマド・カーン・ラハミ容疑者ら犯人グループから、チェルシーが狙われた可能性がある。

 同地区では23丁目のごみ収集用容器が爆発し、27丁目でも爆発物とみられる圧力鍋が見つかった。

 チェルシーは新旧の町並みが同居する雑多な繁華街だ。東京都でたとえるなら新宿区。アールデコ調のマンションや近代美術のギャラリーが軒先を連ねると思いきや、低所得者向けの住宅群がある。19世紀に移住してきたアイルランド系により開発され、近年は文化発信地として発達した。

 マンハッタンで、ニューヨーク市警(NYPD)が重点的に警備する地域は主に3カ所ある。東部の国連本部付近、観光地である中部のタイムズ・スクエア、南部に位置するウォール街周辺。いずれも、政治・経済・文化の面で重要な地域だ。実際、ウォール街付近で米中枢同時テロが起きた。NYPDが次に目を配るのが、交通の要衝。34丁目のペン駅や14丁目のユニオン・スクエア駅周辺だ。いずれも列車の乗り換え地点で、NYPDは定期的に手荷物検査を実施する。

 チェルシーはこうした重点警備地域や交通の要衝から、やや離れている。23丁目には急行列車が止まらないので、ペン駅やユニオン・スクエア駅周辺ほどは人出がない。不審物が見つかった27丁目は日が暮れると、急にさびしい雰囲気になり、警察官と遭遇することもあまり多くない。名前が知られている割には、「ソフト・ターゲット(警備や監視が手薄で攻撃されやすい標的)」だった。

 チェルシーは性的少数者(LGBT)が集う地域としても知られている。6月にフロリダ州オーランドで起きた銃乱射事件でLGBTが集うナイトクラブが標的となったこともあり、その「リベラルな土地柄」が狙われた可能性もある。

最終更新:9月20日(火)8時11分

産経新聞