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東京五輪成功鍵はボランティア「教育、採用は大切」

日刊スポーツ 9月20日(火)9時56分配信

<20年五輪に生かす:Rio to Tokyo(中)>

 リオデジャネイロパラリンピックの閉会式が19日に行われ、五輪を通じて約1カ月半の祭典が幕を閉じた。今大会から学んだことを4年後の東京大会にどう生かすか。連載2回目は大会成功の大きな鍵を握る「人の力」に焦点を当てる。ブラジル人の「笑顔」と「おおらかさ」に注目が集まった南米初開催。ボランティアや観客の行動から、東京が見習う点や、注意点が見えてきた。

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 「オーレー オレ オレ オラー」の大合唱、手拍子、そして地鳴りのような足踏みが会場を揺らす。サッカーの応援形態が柔道会場でも使われた。違和感はあったが、盛り上がった。

 東京大会組織委員会は五輪期間中に約180人の職員を派遣し、国際オリンピック委員会の研修プログラムに参加。応援形態が課題の1つに挙がった。

 組織委の国際渉外・スポーツ局の担当者は「サッカーやバレーボールの応援を全競技でしていた」。ブラジル国内で人気の高い両競技。ただ、テニスや卓球では静寂が必要な場面が多く、そぐわない。

 同様に、競技ボランティアも両競技のルールには精通していたが、「テニスのボールボーイはおどおどしてしまい、アスリートをキリキリさせていた」と他競技のルール認識の甘さを指摘した。ともに東京では「キャンペーンなどを通じて広く知らせる必要がある」との課題が見えた。

 大会成功の鍵はボランティアだ。大会準備運営第1局の担当者は「サービスレベルはボランティアが握っている」と断言した。

 リオでの課題は人材の確保だった。同第2局の担当者によると、大会関係者を輸送する運転手が、採用枠の約35%しか集まらなかったという。ユニホームなどの「グッズだけ持って帰った人もいたらしい」。

 リオ市が募集した観光・道案内をする「都市ボランティア」はドタキャンを防ぐため有償にした。東京都から研修に参加した担当者は「街角で8時間立ちっぱなしの業務を無償で、となると、ブラジル人は帰ってしまうから」とリオ市から説明を受けたという。日刊スポーツの取材でも、リオ五輪組織委が募集した通訳ボランティアは人員不足を懸念し、宿泊費つきの有償としたことが分かった。

 一方、競技を待つ長蛇の列を、歌や演奏で楽しませる明るさは、高い評価を得た。第1局担当者は「人の笑顔が印象的だった。東京では何を印象として残せるか」と語った。組織委が8万人、都が1万人を集める予定の東京大会。約1万5000人がドタキャンしたというリオ五輪と単純比較はできないが「教育、採用は大切」(同担当者)と肝に銘じた。【三須一紀】

最終更新:9月20日(火)11時0分

日刊スポーツ