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日本は世界の景気敏感株、プロテクション戦略に勝機=蘭ペラロゴス

ロイター 9月20日(火)15時49分配信

[東京 20日 ロイター] - オランダのヘッジファンド、ペラロゴス・キャピタルは、「日本株は世界の景気敏感株」だとして、中銀の政策決定会合や米大統領選といったリスクイベントを控え、当面は下落プロテクションを駆使した戦略での運用が適切だとの考えを示した。中型の内需株や不動産投資信託(REIT)を選好する一方、銀行株については割安感はあるが慎重姿勢を維持すると述べた。

ペラロゴスはオランダの保険大手エイゴン<AEGN.AS>の運用部門からスピンオフ(分離・独立)したヘッジファンドで、本拠地はハーグ。ロング・ショート戦略で日本株とアジア株の運用を行っており、8月末の運用資産総額は2.2億ユーロ(約250億円)。

インタビューは、最高経営責任者(CEO)のリチャード・ディンゲマンズ氏が来日していた15日に東京で行った。概要は以下の通り。

――市場は目前に迫る日米中銀会合を注視している。

「中銀の金融政策が企業や株価に与える影響は限られている。金利が下がったからiPhone(アイフォーン)が売れるわけではないし、ローン金利の低下は自動車販売には追い風だが、それでも消費者が2年おきに新車を買うわけではない」

「むしろ、超低金利・マイナス金利政策は、将来への不安感から家計の消費マインドを萎縮させ、貯蓄を促す。これは回りまわって経済を弱くする」

──外国人投資家は年初から日本株を大きく売り越している。

「グローバルの投資家にとって、日本株はいわば『世界の景気敏感株』だ。流動性が高いマーケットの中で世界で最も早くオープンする市場であるため、グローバルのマクロ要因に振らされやすい。これが日本株のボラティリティーが高い背景となっている」

「世界景気が良さそうだから日本を買おう、日経平均<.N225>を買ってそれで終わり。あるいは、世界経済が悪そうだから日本のエクスポージャーを減らそう──こうした企業のファンダメンタルズお構いなしというタイプの外国人投資家が大勢存在する」

「それゆえ、年明け以降、世界的な景気減速や(円高進行による)企業業績悪化をめぐる懸念、それにブレグジットや米利上げをめぐる不確実性が相まってリスクオフが進んだ局面で、グローバル投資家は日本株売りに動いた」

「ブレグジットが決まった日には、当社のファンドマネジャーも夜を徹して開票速報を見ながら、ヘッジのため大量の日経平均先物を売った」

──日本株の先行きは。リスクをどうみるか。

「最たるものは、政治的リスクだ。米大統領選のほか、欧州でもイタリアの国民投票など重要な選挙が控えている」

「ブレグジットの時もそうだったが、人々がまだトランプ候補が大統領になる可能性を真剣に受け止めていないのは驚きだ。だが、多くの国民は格差の拡大と景気回復の恩恵に浴していないことに怒っている。選挙が近付くにつれ、市場はトランプ氏が勝って米国が保護主義に走るリスクを織り込み始めるだろう。これは米国への輸出依存度が高い日本企業にとって大きなリスクであり、相場を動揺させる要因となろう」

「世界景気、とりわけ米経済のリセッション入りも大きなリスクだ。先日発表された8月のISM(米供給管理協会)指数が製造業・非製造業とも予想外に弱く、懸念している。今後発表される米国の経済指標、特に自動車や航空機など製造業に関連したデータを注視する必要があり、弱い数字が続けば対応を考えなくてはならない」

──日本株に対し、どのような投資戦略で臨むか。

「デリバティブを用いたダウンサイド(下落)プロテクションが有効だ。実際、われわれは市場が米経済とドルの先行きを楽観視し、FRBも年間100ベーシスポイント(bp)の利上げ見通しを示していた昨年末、そうした順調な利上げシナリオに疑念を抱き、アウトオブザマネー(OTM)のプットオプションを買った。これが今年第1・四半期に円高が進んで相場が急落した局面で奏功し、好パフォーマンスにつながった。今も、OTMプット買いで米大統領選に伴う下落リスクに備えている」

「また、世界経済の減速が打撃となる輸出関連株を減らし、グローバルマクロ要因に左右されにくい中型内需株や、REITの買い持ちを増やしている。先月(2016年4─6月期の)決算シーズンを終えてみれば、企業業績は一時思われたほどは悪化していない。REITは、高い利回りに加えてマネジメント次第で価値向上の余地がある、中小規模の物件に投資するものを引き続き選好する」

「マイナス金利政策導入以降低迷する銀行株については、7─8月に(売られ過ぎた景気敏感株を買い戻す)リターン・リバーサルの動きが出て大幅に値を上げた。だが、中銀が今後発表する金融政策次第では一段安も見込まれるため、依然として本格的な買い場ではないと判断している」

(インタビュアー:植竹知子 編集:伊賀大記)

最終更新:9月20日(火)15時49分

ロイター

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