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<ジャカルタ事件>21日に初公判 城崎勉被告裁判員裁判

毎日新聞 9月20日(火)23時52分配信

 ◇証人が20人以上、公判65日間22回予定

 1986年にインドネシアの日本大使館に迫撃弾が撃ち込まれた「ジャカルタ事件」で殺人未遂罪などに問われ、21日に東京地裁で初公判が開かれる元赤軍派、城崎(しろさき)勉被告(68)の裁判員裁判に、検察、弁護側が申請した証人が20人以上出廷することが関係者への取材で分かった。裁判員が過激派の公安事件を担当するのは初めて。物証が乏しく、関係者の記憶も薄れた30年前の事件をどう裁くかが注目される。

 城崎被告の公判の開廷回数は、予備日と判決を含め22回、審理期間は65日を予定している。

 事件は86年5月14日に発生。インドネシアの首都ジャカルタ中心部のホテル8階客室から迫撃弾2発が日本大使館に向けて発射された。いずれも不発でけが人はいなかった。

 城崎被告は同時刻に同市内の米国大使館に迫撃弾が撃ち込まれた事件に関与したとして、98年に米国で有罪判決を受け服役。釈放された2015年に送還され、日本大使館襲撃について起訴された。

 城崎被告は「当時はレバノンに滞在し、インドネシアにはいなかった」と全面的に無罪を主張する方針。検察側はホテル室内から採取した指紋2点が城崎被告と一致したことや、ホテル従業員ら複数の目撃証言で城崎被告が犯人であることを立証する構えだ。

 関係者によると、検察側は事件を捜査した地元警察官や、城崎被告と似た人物を見たという目撃者らを証人申請している。多くはインドネシア人とみられるが、米国大使館事件を捜査した米連邦捜査局(FBI)の捜査官も証言台に立つ予定。

 70年代にパレスチナで城崎被告と行動を共にした元日本赤軍メンバーで、弁護側証人として出廷する映画監督の足立正生さん(77)は「パレスチナ問題など歴史的な背景を分かりやすく証言し、裁判員に伝えたい」と話した。【近松仁太郎】

 ◇長期の裁判員裁判に 平均は4.3回、7.3日

 最高裁によると、2009年に始まった裁判員裁判の平均開廷回数(今年5月時点)は4.3回、初公判から判決までの平均審理期間(同)は7.3日だった。辞退者が増えることを見込み、東京地裁は最初に候補者220人を選定し、そこから裁判員を選任した。公判途中に裁判員が病気などで審理を外れる場合に備え、補充裁判員も5人選んだ。

 審理期間が105日に及び約30人が証人出廷した元オウム真理教信者、高橋克也被告(58)=上告中=の公判で裁判員を務めた30代の男性は「古い事件は、証人の記憶もあいまいな分、難しさはある。一方、裁判員は予備知識がない分、証拠や証言を真摯(しんし)に見て判断できる」と話した。

 同じく裁判員だった50代の男性は「証人が多く、期間も長くなれば、素人の裁判員が頭で整理するのは相当困難。地裁は、裁判員が証拠や証言の中身に理解する時間を十分確保してあげてほしい」と注文した。【近松仁太郎】

最終更新:9月21日(水)0時3分

毎日新聞