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これが中国流の「おもてなし」?杭州G20でみた「その場しのぎ」とドタバタ劇…

産経新聞 9月21日(水)10時15分配信

 9月4~5日に中国・杭州で20カ国・地域(G20)首脳会議が開催された。閉幕後、議長を務めた習近平国家主席は大成功だったと自画自賛したが、事実、中国が議長国となるのは初めてとあって、厳重な警備態勢をはじめ大国のメンツをかけて行われた。とはいえ、これが“中国流おもてなし”なのか、その場しのぎも散見された。

 ■空港にG20専用レーン

 空の玄関口となった杭州蕭山国際空港。オバマ米大統領の乗る専用機「エアフォースワン」に赤絨緞を敷いたタラップが用意されず、そのうえ、米中の職員が怒鳴り合う騒ぎもあったが、空港内には「G20レーン」なるものが設けられ、記者も含め関係者は優先的に入・出国審査が受けられるようになっていた。

 ただ、当局は首脳会議の期間中、学校や企業を休みにして郊外への旅行を推奨。そのせいか、一般レーンはがらがらで、G20専用レーンの方に行列ができてしまい、一部の記者は一般向けに回るよう指示された。

 テロを警戒し、街中は至るところに警察車両や警備員の姿が目立った。歓迎式典が行われた会場の西湖周辺は道路自体が封鎖され、一般車両は乗り入れ禁止。タクシーで近寄ることもできなかった。

 ■日本語でおもてなし

 日本側の宿舎は広大な公園の中に立地するホテルだったが、園への入り口にはセキュリティーゲートが設けられ、X線検査装置と金属探知機に加え、ボディーチェックも行われた。安全確保のためか、園内にある商業施設はすべて閉まっていた。

 意外(?)だったのは、日本語のできるボランティアが待機していて、入り口からホテルまで案内してくれたことだ。日本語を勉強している学生たちらしく、朝早くから夜遅くまで常駐していて、親切に相談にのってくれ助かった。

 ホテルの玄関にもセキュリティーゲートがあり、再びX線検査装置と金属探知機によるチェックが行われる。人が殺到すると時間がかかるため、ホテル内で記者会見が行われる際は早めに入っておかないと遅れてしまうところだった。

 ■期間中は「通信の自由」

 自由主義国家では考えられないが、中国ではインターネット規制が実施されている。動画サイト「ユーチューブ」や交流サイト「フェイスブック」、無料通話アプリ「ライン」、「グーグル」の検索などが普通に見られない。

 しかし、期間中は、規制が一部解除され、メディアセンターやホテルなどでは海外記者は専用のワイファイを通じて利用できるようになった。

 会議は5日、首脳宣言を採択して閉幕した。外務省が宣言の全文を開示するのが翌6日の朝に遅れるなど、他国ではありえないドタバタになった。

 杭州滞在中、空は澄んでいて、過ごしやすい気候だった。ただ、それも当局が期間中に大気汚染対策として周辺の工場を操業停止にした影響が少なくないだろう。会議が終われば、すぐに排煙で覆われるのかもしれない。

 「上に天国あり、下に蘇州・杭州あり」と中国では言われるという。天国とまではいわないが、かの国が“普通の国”になるのもまだまだ先のようだ。(田村龍彦)

最終更新:9月21日(水)10時15分

産経新聞