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(朝鮮日報日本語版) 【社説】米国は「核不拡散の被害者・韓国」に理解を

朝鮮日報日本語版 9月20日(火)10時4分配信

 米国のジョン・ケリー国務長官は18日(現地時間)、ニューヨークで開かれた韓米日3カ国外相会談で、有事の際に米国が韓・日に対して米国本土並みのレベルで核および通常戦力での支援を行うという「拡大抑止」の公約を再確認した。わけても、ケリー長官は「あらゆるカテゴリー」の核を動員するという表現を用いた。戦略核であれ戦術核であれ必要な手段は全て動員するという部分は、韓国に戦術核を再配備する必要はないという発言をひっくり返したとも取れる。「核抑止力を確実に提供するので安心するように」というメッセージの裏には、どのような条件が付けられようと、韓国の核武装は駄目だという意向も存在すると考えることができる。

 核不拡散は、米国の世界政策の基本的な流れだ。オバマ政権は過去8年間、「核なき世界」政策を追求してきてもいる。世界平和を脅かす核兵器の拡散を防がなければならないという、その当為性自体には、誰も異議を挟むことはできない。韓国が核拡散防止条約(NPT)の最も忠実な履行国だったのも、そのせいだ。北朝鮮の核の脅威にもかかわらず、韓国政府が核武装を口にしたことはない。韓米同盟もまた、歴史上最も成功した同盟と評されている。

 しかし今、韓国が北朝鮮から受けている核の脅しは、核不拡散の当為性や同盟の効能といった次元を超えるものだ。北朝鮮の核は不拡散が失敗した代表的なケースであって、韓国はまさにその最大の被害者になっている。いくら同盟だといっても、5000万の国民の生存が懸かった問題を完全に他国へ委ねるのは、誰が見ても正常ではない。世界の歴史を振り返ってみても、同盟が無限かつ永遠だったことはない。

 米国でスパイとして処罰されたロバート・キムによると、1990年代中盤の時点で韓国は、北朝鮮の潜水艦の活動に関する情報を米国からきちんと提供されていなかった。当時、米国の韓半島(朝鮮半島)関連情報は、英国・カナダといった国には提供されても、「血盟」韓国には情報が行かない構造になっていたという。ロバート・キムは「米国政府で働いてみたら、われわれが『盟邦』だというのは韓国がそう考えているにすぎず、米国の国益次第で決まるだけ、という考えも抱いた」と語った。彼のこの言葉は、聞き捨てならない。

 在韓米軍の撤収と韓米同盟の亀裂を狙って北朝鮮が「朝米平和協定への転換」を主張すると、実際米国の国内からも、少数ではあるが「やってみる価値はある」という反応も出た。北朝鮮が米国本土まで届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)を保有した後、米国と交渉しようとしたとき、一体何が起こるのか、今の時点ではっきり断言できる人物はどこにもいない。ケリー国務長官ですら、この問題で断言はできない。

 核拡散を防ぐという米国の世界戦略は重要だ。同時に、不拡散を忠実に守ってきた韓国が明白な核の脅しを受けており、切迫した危機にさらされていることも同じくらい重要だ。国連制裁は、中国の非協力的な態度と北朝鮮の閉鎖性のため、事実上通用していないことが判明した。こうした状況の中で、5000万の国民の安全を守る案を模索しなければならない。米国も、この特殊な状況を認めて、北朝鮮の核問題が解決するまで戦術核の再配備や欧州式の核シェアリングを行うなど、さまざまな案についてオープンな姿勢で議論を始める必要がある。これは、米国の核不拡散の基調から外れるものではない。それが、前向きに核不拡散を守る道でもある。

最終更新:9月20日(火)10時4分

朝鮮日報日本語版