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牛生産にも高齢化の波 青森県内、飼育戸数が減少の一途

デーリー東北新聞社 9月20日(火)10時6分配信

 ステーキに牛丼、牛乳やヨーグルトなど、われわれの食生活ではさまざまな飲食物として牛からの恩恵を受けている。「エコノミック・マンデー」の今月のテーマである牛に関するデータを集めてみた。青森県内では生産者の高齢化を背景に、乳用牛、肉用牛とも生産者数(飼育戸数)の減少が続いている。

 経済規模で見ると、2014年の農業産出額は2879億円。畜産関係は約3割に当たる880億円で、右肩上がりで増加。肉用牛は豚(260億円)、ブロイラー(201億円)、鶏卵(181億円)に次ぐ143億円。農産品全体の品目別ランキングでも6位に入る。乳用牛はトップ10には入らないが、10位のゴボウとほぼ同規模の76億円。

 県畜産課によると、乳用牛は生乳の価格が一定であるため、近年ほぼ同額で推移。一方、肉用牛は宮崎県の口蹄疫(こうていえき)問題や福島原発事故の影響による全国的な子牛不足などで、子牛や肥育牛の価格が高い水準が続いているという。

 乳用牛は飼育戸数が1980年に1500戸超だったが、85年に約千戸となり、近年は200台。飼われている雌牛の総数は80年に2万9200頭だったが、10年に半数を下回り、15年2月現在では1万1600頭となった。1戸当たりの飼育頭数は53頭で、全国平均の78頭と大きな開きがある。

 肉用牛は80年に飼育戸数が4千を超えていたが、15年には4分の1の1020戸に減少。飼育頭数は95年まで急増した後、00年以降、5万~6万台で推移する。15年の内訳は肉用種雄牛が7320頭、繁殖用を含めた肉用種雌牛が1万7300頭、乳用種が3万500頭など。1戸当たりの頭数は80年に9頭だったが、15年に54頭まで増え、全国平均の46頭を上回った。

 同課は「高齢化で乳用牛、肉用牛とも生産者が減っている」と話す。牛の生産は労働負担が大きいイメージがいまだ根強く、後継者不足が深刻だ。新規で始めようとしても、牛舎などの初期投資がかかることも要因の一つに挙げられる。

 環太平洋連携協定(TPP)の発効の行方は不透明だが、海外で和牛が評価される動きなどもあり、牛肉や乳加工品の輸出が今後本格化しそうだ。県南地方で畜産振興の機運が盛り上がる中、牛の生産も付加価値を向上させ、海外を含めた販路拡大を図りながら、魅力ある産業へ“成長”が急務だ。

デーリー東北新聞社

最終更新:9月20日(火)10時6分

デーリー東北新聞社