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福祉避難所 熊本で「機能」4分の1 災害対応大丈夫? 高齢・障害者 頼みの綱

日本農業新聞 9月20日(火)7時0分配信

 高齢者や障害者などの災害弱者を受け入れる「福祉避難所」が、実際の災害時にほとんど機能しないことが分かった。熊本地震の発生時、熊本県内の全福祉避難所のうち実際に機能したのは4分の1以下で、当該者の多くが福祉避難所の存在を知らなかった。被害が大きかった熊本市や益城町の福祉避難所では、人手不足などで受け入れられなかったケースもあり、課題が浮上している。

周知と人手 鍵に

 熊本県内13市町村には461カ所の福祉避難所があり、最大7430人を収容できるとされていた。だが4月14日の地震発生以降、高齢者や障害者を実際に受け入れた避難所は、最多の時で101カ所、受け入れ人数は823人にすぎなかった。県は「福祉避難所の情報が周知されていなかったので、どこに避難すればいいか分からない高齢者らが大勢いた」(福祉政策課)と説明する。

 内閣府が4月に出したガイドラインでは、福祉避難所の所在は、要支援者や家族に周知するよう求めている。だが、「健常な被災者まで福祉避難所に詰め掛ければ、肝心の要介護者と障害者が入れなくなってしまうので、周知の仕方は難しい」(同)と明かす。その結果、県内で機能しなかった福祉避難所が相次いだ。

JA施設受け入れスムーズ 地域密着 強み

 スムーズに受け入れられた避難所もある。同県山都町で、デイサービスなどで1日約50人が利用するJAかみましき福祉センターだ。地震発生直前の3月に町と災害協定を結び、福祉避難所となった。震災時は町からの要請を受けて被災した80代の男女2人を受け入れ、1人ずつ介助要員を配置した。

 「従業員のほとんどが農家のお母さんたち。団結力が強く震災直後には全員がセンターに集まってくれ、人手不足にならなかった」と北潮子センター長。宅配を中心とした250人分の配食サービスも行っていたことから、Aコープと連携した代替食材の活用ができ、避難者にも十分な食事を提供できた。

 ホームページで避難施設であることを周知するのは、JA兵庫六甲から独立した社会福祉法人・ジェイエイ兵庫六甲福祉会が運営する小規模多機能型の2施設だ。

 施設は2014年と15年に福祉避難所に指定され、災害時には各10人の受け入れができる。「災害時を想定し、救援が来るまでに十分な非常食を完備している。泊まりに対応する小規模多機能型施設だから、夜間対応もできる」と説明する。

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最終更新:9月20日(火)7時0分

日本農業新聞

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