ここから本文です

宇多田ヒカル「ほぼ6年間歌っていなかった」、曲作りを「登山」に例える

MusicVoice 9/20(火) 17:35配信

 歌手の宇多田ヒカル(33)が19日、テレビ朝日系で放送された音楽特番『30周年記念特別番組 MUSIC STATION ウルトラFES 2016』に出演、およそ8年ぶりにMステに出演を果たした。司会のタモリと対談形式でトークした宇多田は「音楽はもちろん聞いてましたし、ギターの練習とかもしてましたね。でも、ほぼ6年間、歌っていなかった」と活動休止期間中の様子について言及。更に、曲作りについて「登山みたいなもの」と例えた。宇多田はこの日「桜流し」を情感込めて歌い上げた。

 約8年ぶりとなったMステへの出演は、Mステのセットで、タモリとの2人だけのトークが展開された。宇多田は「お久しぶりです」と照れ笑いを浮かべながら挨拶し、「不思議ですね。誰もいないセットでお話するのって。本番じゃないみたいですね。リハーサルか打ち合わせのときみたい」と話し、「本当にまったく変わらないですね。タモリさん」と笑顔でタモリとのトークを始めた。

■ほぼ6年間歌っていなかった

 表舞台を去っていた6年間の理由について宇多田は、「何もしないでいようというか、こういう世界からとにかく離れたくて。戻ってきたのはイヤイヤみたいに聞こえたらあれ何ですけど(笑)、そうじゃなくて、一端、リセットしたいなと。だんだん、わかんなくなってきたというか、みんなに求められている私とか、ただの私が離れていくみたいな。行きたい方向に行っていない気持ちっていうのがあって、かといって、どこに行きたいのというのも分からなかった。いったん、止まろうみたいな」と、その時の心境を打ち明けた。

 タモリは、その6年間に何をしていたのかを尋ねる。「習いたかった語学の勉強をしたり、すごい興味があったアフリカ語の文献を図書館に入り浸ってあさったりとか。学生ノリというか、若い友達がいっぱいできて、ちょっと青春ぽいものも経験したり」。そして、「遊んだ時期がなかったので、あんまり。19歳からお仕事をしていて、飲みに行く、クラブに行くという歳の時期に、もう人目を気にしちゃうから、あんまり弾けられないし。もともとそういうのが必要なタイプでもないんですけど」と振り返った。

 タモリは「失われた青春なんだ。と言っても、やっぱり音楽のことは頭から離れないわけでしょ」と質問を重ねる。これにについて「音楽はもちろん聞いてましたし、ギターの練習とかもしてましたね。でも、歌ってはいなかった。ほぼ6年間、歌っていなかった。鼻歌とかはホロ酔いで良い気分で“ふふん”とかはあっても、真剣に歌う、マイクを通して集中して歌うとかはまったくしてませんでした」と、歌手・宇多田ヒカルとは一線を画した生活を送っていたという。

 話題は宇多田が現在、英ロンドンに在住していることに移った。宇多田は「面白いですよ。慣れましたけど、友達もいまとなってはいるし、最初はほとんどいなかったですけど。それまで色んなことを周りのスタッフというか事務所の方たちにやっていただいてたんだなっていうことを自分でやりたくて、家を探したり、銀行口座を開いたり、水道代を払う手続きの登録をしたりとか、電気会社を選んでとか、そういう当たり前のことを」と話し、自身の力でライフスタイルを作り上げていったことを話した。

■影響を受けた人物は母・藤圭子

 この日、番組では「日本に最も影響を与えた曲BEST100」を紹介。その3位に宇多田が1998年12月に発表したのデビュー曲「Automatic」が入った。これについて尋ねられた宇多田は「へええ。ありがたいですね。覚えてもらっているのはすごい嬉しいですよね。古い曲なのに。もう18年前ですか。33歳だから。相当昔ですよ、18年前って。赤ちゃんが大学生になってますからね、すごいですね」と感慨をこめて語った。

 さらに、タモリは「影響を受けた人」について質問。宇多田は「影響を受けたって意味で言えば母親は歌手でしたし」と、宇多田の母親で歌手の藤圭子さんを挙げた。「歌ってるところとか、家で歌っている練習しているのは散々聞いてたので、歌い方とかよりもアプローチというか、スタンスって言うんですか、歌手として。っていうのはもちろん影響を受けてると思いますけど、大変そうだなあみたいな」と答えると、タモリは「自然と体に入って来てるんだろうね」と重ね、宇多田は「うん。そうですね」とうなずいた。

■歌詞は最後じゃないと書けない

 続けて、今回の出演で歌唱する楽曲「桜流し」について宇多田は言及。東日本大震災が発生した2011年3月11日、「その少し後に映画関係でお話が来て、書こうとなっときに、どうしてもそこに思いを馳せて書き始めた曲ですね」と振り返った。

 2度ほど作詞をしたことがあるというタモリがその労苦について語ると、宇多田は「私は音で聞こえてくるんですよ。最初にメロディとか、コードとかを書き上げてあって、歌詞は最後じゃないと書けないです」と話し、「一番、とりかかるのが億劫になる作業ですね」と自身にとっても歌詞作りは難作業であることを明かした。

 ただ、宇多田はこうも語る。「最初はやりたくないって思います。大変なのが分かってるから。でも登山みたいなもので、最初から苦しくなる、辛くなることは分かってるけど、やりにいくじゃないですか。分かっててやりに行くことに意味があるんですよね。結局、終わった後に、『ああ、やって良かった、やったぜ、やってやったぜ』っていうものとか、何かがすごく整理されてスッキリしたりとか」と、歌手としての姿勢の一端を垣間見せた。

 対談の最後に宇多田は「こんなんで良かったのかな」と屈託のない笑顔を寄せながら、久しぶりの再会となったタモリとの対談を締めくくった。

 歌唱した「桜流し」は、2012年に公開された映画『エヴァンゲリオン新劇場版:Q』の主題歌。美しさと切なさが胸を打つ楽曲だ。ステージに立った宇多田は、スタンドマイクを握りしめながら、儚げな表情を作って情感たっぷりに歌い上げた。

最終更新:9/20(火) 17:42

MusicVoice