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米ボストン在住の音楽家・アレクセイ・ツガノフ氏に聞くジャズシーンの現状/インタビュー

MusicVoice 9/20(火) 19:55配信

 ロシア生まれで現在は米ボストンを拠点に活動する作曲家、ヴィブラフォン、ピアノ奏者のアレクセイ・ツガノフ(Alexei Tsiganov)氏が8月に来日した。海外では現在「21世紀の黄金期を迎えている」と言われる現代ジャズ。ジャズの伝統に裏打ちされた高いスキルを武器に色々な音楽と融合し、自由な風の吹く音楽がそのシーンから創造されている。その動向は現在進行形で様々に確認され続けており、注目度は増すばかりである。今回はジャズ教育者でもある同氏に、自身の音楽変遷や世界のジャズシーンの現状などについて話を聞いた。

【写真】インタビューカット

ジャズの定義…米芸術と即興芸術

――アレクセイさんはロシア生まれと聞いています。ですが、クラシックではなく、ジャズを志したのはなぜでしょうか?

 それに答えるには先ず、「ジャズとは何か?」という事を定義しなければいけません。多くの人は、ジャズとは「アメリカの音楽」、あるいは「即興で演奏される音楽」と思っているかもしれません。私は「アメリカ芸術」としてのジャズ、「即興芸術」としてのジャズ、両方に興味があります。

 私はクラシック音楽が大好きです。クラシック音楽も古くから即興の伝統があることは知られています。例えば、バッハやモーツァルト、ショパン、ラフマニノフなどは素晴らしい即興演奏者でした。モーツァルトのピアノ協奏曲などには即興で弾く箇所がありますよね。だから、ジャズは初めての即興芸術ではないんです。伝統的なインド音楽も即興の要素が強いですし。

――音楽を始めるきっかけはなんだったのでしょうか。

 子どもの頃はロックドラムを叩いていました。そこからクラシックやジャズを勉強し始めたんです。クイーンが大好きでしたね。ロックにはシンプルな楽曲が多かったりしますが、クイーンはハーモニーが豊かでメロディが素晴らしかった。ピンクフロイドもお気に入りです。即興も凄く素晴らしい。他には、エマーソン・レイク・アンド・パーマー、やキングクリムゾン、ディープ・パープルやビートルズも好きでした。

 ドラムから始めて、次第にメロディとかハーモニーに興味を持ち始めたんです。音楽学校に行き始めてからはドラムだけでなく、鉄琴・木琴全般、ピアノを並行して勉強しました。ドラムや他の打楽器への情熱は失いませんでしたが、段々と焦点がドラムからヴィブラフォンやピアノの方に移っていったんです。

 あとは兄がピアノを弾いているんです。子供の頃に彼や彼の周りの年上のミュージシャンたちと一緒に演奏したかったということも、ヴィブラフォンを始めた理由の一つです。今ではピアノとヴィブラフォンの二重生活をしているんです。ライブではやりませんが、今でもセッションではドラムは叩きますよ。ベーシストが酔っぱらっていればの話だけど(笑)。

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最終更新:9/20(火) 20:10

MusicVoice