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「なぜ他人の不祥事の後始末を?」弁護士の着服相次ぎ、会費財源の見舞金検討 会員から反発も

西日本新聞 9月20日(火)12時7分配信

 弁護士が依頼者からの預かり金を着服するなどの不正が相次いでいることを受け、日本弁護士連合会が、被害者に見舞金を支払う「依頼者保護給付金制度」の導入を検討していることが分かった。会費を財源に、被害者1人当たり500万円を上限に支給する。弁護士に対する信頼回復が狙いで、来年4月にも導入したい考えだが、会員からは「なぜ他人の不祥事の後始末をしないといけないのか」などと反発も出ている。

 弁護士による不正を巡っては大阪地裁が3月、総額約5億円を着服したなどとして業務上横領罪などに問われた弁護士に懲役11年を言い渡した。福岡県では2014年、弁護士に現金をだまし取られた被害者らが、指導監督の責任を問い県弁護士会を提訴し、係争中だ。

 不正が相次ぐ背景には、司法制度改革に伴う弁護士の急増により、弁護士が経営難に陥りやすくなっていることがあるとみられる。

 日弁連の制度案は、着服や詐欺で弁護士が有罪判決を受けたり、弁護士会から懲戒処分されたりした際、被害者からの申請を受けて見舞金を支払う仕組み。不正をした弁護士に賠償能力があるケースや、不正行為から5年以上が経過している場合などは支給しない。

 上限は、被害者1人当たり500万円。同じ弁護士による被害者が5人以上いる場合は計2千万円を上限とする。日弁連内に設置する審査会が支給額などを判断し、日弁連会長が最終決定する。

 しかし、見舞金は全国の弁護士約3万7600人が納めている会費(月額1万6800円)が原資となるため、内部では「納得できない」と不満も出ている。多額の被害が出ても支給額が500万円にとどまる仕組みに対し「本当に信頼回復につながるのか」と疑問視する声もある。

 日弁連は「全国の弁護士会への説明を進めており、意見を聞きながら対応を検討したい」としている。

西日本新聞社

最終更新:9月20日(火)12時7分

西日本新聞