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<工藤会声掛け>裁判員の威迫、元組員否認 福岡地裁初公判 別の被告は認める

西日本新聞 9月20日(火)12時26分配信

 福岡地裁小倉支部で5月にあった特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)系組幹部の裁判員裁判を巡り、裁判員2人に声を掛けて組幹部に有利な審理をするよう脅し、依頼したとして、裁判員法違反(威迫、請託)の罪に問われた元同会系組員の楠本利美被告(40)と会社員中村公一被告(41)の初公判が16日、福岡地裁(中田幹人裁判長)でそれぞれ開かれた。楠本被告は「威迫も請託もしていない」と無罪を主張、中村被告は起訴内容を認めた。

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 同法違反罪での審理は2009年5月の裁判員制度導入以降、初めて。

 検察側は冒頭陳述で、楠本被告と中村被告、組幹部(41)の3人は中学時代の同級生で、楠本被告は以前、組幹部と同じ組にいたと指摘。楠本被告と中村被告は組幹部に有利な判決が出るよう望んでおり、帰宅中の裁判員2人を見て声を掛けることを決意したと説明。楠本被告は、当時に暴力団風の姿をしており「裁判員から恐れられていることを自覚していた」と主張した。

 検察側は声を掛けられた裁判員2人が「報復が怖くて組幹部の公判で質問もできなかった」などと述べた供述調書も読み上げた。

 これに対し、楠本被告の弁護側は「裁判員も大変やね」と話しかけたが、それ以外の言葉は言っていないと主張。裁判員を脅すなどしていないと述べた。

 中村被告は被告人質問で「(裁判員への声掛けが)犯罪だとは知らなかった」と説明。「裁判員に軽率に話し掛けて申し訳なかった」と反省の態度を示した。

 起訴状によると、2人は5月10日午後、組幹部の初公判を傍聴後、支部近くの路上で、いずれも44歳の裁判員の女性2人に「あんたらの顔は覚えとるけね」「(組幹部の)同級生やから、よろしくね」「もうある程度、刑は決まっとるんやろ」などと別々に話し掛け、組幹部に有利な審理をするよう脅し、依頼したとされる。

西日本新聞社

最終更新:9月20日(火)12時26分

西日本新聞