ここから本文です

「ドゥテルテ氏が殺害指示」暗殺団メンバーの証言が波紋 比大統領、市長時代 政権は否定

西日本新聞 9月20日(火)12時34分配信

 フィリピン南部ダバオ市で暗躍したとされる「暗殺団」の一員だった男性(57)の証言が、波紋を広げている。当時ダバオ市長だったドゥテルテ大統領の指示で、千人以上の犯罪者らが違法に殺害されたという。政権は火消しに躍起だが、国際人権団体は「深刻な疑惑」と調査を求めている。

 AP通信によると、男性は15日、上院の公聴会で証言した。暗殺団は警官らで組織され、1988~2013年にドゥテルテ氏の指示で殺人を実行したという。男性は「われわれ(暗殺団)の任務は麻薬密売人、レイプ犯、ひったくり犯などの犯罪者を殺害することだった。ほぼ毎日のように人を殺した」と述べた。

 男性は、殺害対象にはドゥテルテ氏に敵対する人物も含まれていたと証言。犠牲者の多くはバラバラにされるなどした後、採石場に埋められたり、海に遺棄されたりしたという。

 公聴会は、アキノ前政権で法相を務めたデリマ上院議員の求めで開かれた。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは「ドゥテルテ氏が直接関与した深刻な疑惑」として、国連が関与する独立した調査をフィリピン政府に求める声明を発表。ドゥテルテ大統領の報道官は疑惑を否定し、過去の調査でも証拠がなかったと反論している。

 ドゥテルテ氏はダバオ市長を長年務めた後、犯罪に厳しい姿勢で臨むことを公約に掲げて大統領に当選。就任後の約2カ月間で、警官が殺害した麻薬犯罪容疑者は千人以上に上る。ドゥテルテ氏は、容疑者が抵抗するそぶりを見せれば現場で射殺するよう警官に指示しており、強権的手法への批判が出ていた。

西日本新聞社

最終更新:9月20日(火)12時34分

西日本新聞