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「分からない」繰り返す 中川元富山市議

北日本新聞 9/20(火) 0:46配信

 富山市議会自民党の5人の名前で引き出された政務活動費74万5千円の真相を明らかするために開かれた記者会見。中川勇元市議は「5人は関与していない」と強調しながらも、詳細を問われると「分からない」「覚えていない」と繰り返した。時折、「北日本新聞には答えない」と質問を無視したり、「知りませんよ」などと投げやりに答えたりして、公金の着服を反省しているようには見えなかった。

 午後5時55分、中川氏は無精ひげを伸ばしたまま、長江公民館に現れた。真相解明のため会派事務員の代理弁護士が設けた場だった。しかし、冒頭「なぜ会見を開かなければならないのか疑問だ。私が使ったと認めている。意図が分からない」と切り出した。

 問題の5人は、議長の市田龍一、副議長の金厚有豊、岡村耕造、高森寛、谷口寿一の各氏。焦点は「誰が使ったか」ではなく、現金を下ろすよう事務員に「誰が指示したか」に移っている。指示された事務員は「覚えていない」と述べ真相は闇の中だ。

 会見で中川氏は、現金を持ち去ったことを認めたが、5人それぞれの銀行口座から下ろすよう指示したのは自分ではないと強調。他の人物が関与していることがかえって浮き彫りになった。

 74万5千円は現金を入手してから、会派控室に置いてあった白紙領収書に金額を記入するよう指示したと語った。会派では、後から領収書を出す形でも現金を受け取ることができる、ずさんな体制だったことも明らかになった。

 6時15分、「もう終わります」と一方的に言い放ち、席を立った。市議会で議員辞職が相次いでいることをどう思うか問われたが、無言。立ち去る際に報道各社が「他の議員も知っていたのか」「こんな説明では市民は納得できない」などと言うと、「知りません」と怒気をはらんだ声で答えた。

■一問一答
 「きょうの会見をなぜ開かなければいけないのか疑問だ。会計士立ち会いの下、74万5千円は私が取得して使ったと伝えており、その分も含めて返金した。選挙後の費用は膨大なので、選挙費用として流用した。領収書については、そこに何人かいたので『いつも使っている印刷業者の領収書で、74万5千円を切っておいてくれ』と言って(控室を)出た。誰が切ったのかは分からない」

 -5人の議員には伝えなかったのか。

 「伝えていない」

 -後からトラブルになるという懸念はなかったのか。

 「(5人が)気付けばそうだったのかもしれないが、いまだにそういう話はない」

 -会派の有澤守会長は「中川氏は谷口氏に『おまえの15万円は俺が会派に返すから預かる』と述べた」と話した。谷口氏は、富山市政記者クラブに提供された音声データでも同様のことを言っている。

 「今自分の記憶の中にはない。ただ、谷口氏がそう言ったのならそうなのだろう。あとの4人は全く知らない」

 -谷口氏はその印刷会社の領収書を切れる立場か。

 「それは分からない」

 -5人はお金を下ろすのを知らなかったのか。

 「知らないと思う」

 -通常、自分の口座からお金を引き出す際は本人が事務員に頼むはずだ。

 「どういう形で引き出されたかは分からない」

 -中川氏が事務員に、5人の政務活動費を下ろすよう頼んだということはないか。

 「一切ない」

 -領収書を切るよりも、お金を受け取った方が先か。

 「そうだ。議員の任期が切れる4月23日までに使わないといけないお金。そうでないと返金しなければならない。同日付で領収書を切るよう指示した」

 -5人がそれぞれ引き出したという可能性はあるのか。

 「それは分からない」

 -白紙の領収書は控室に置いてあったのか。

 「置いてあった」

 -その存在は誰か知っているのか。

 「私しか知らない」

 -では、どうやって領収書を使ったのか。

 「事務員は知っているから、その話の中で使った」

北日本新聞社

最終更新:9/20(火) 0:46

北日本新聞