ここから本文です

旧石器人は意外とグルメ 海の幸潤う洞窟生活 沖縄で最古の釣り針

沖縄タイムス 9月20日(火)6時50分配信

 沖縄県南城市のサキタリ洞遺跡で2万3千年前の世界最古の貝製釣り針が発見され、関係者を驚かせた。旧石器人の水産資源を利用した生活実態だけでなく、沖縄島への人類の渡来が3万~3万5千年以上前にあり、約2万年間、継続して居住していた事実が明らかになった。発掘成果に専門家からは「素晴らしい発見」「今後も楽しみ」と驚きと期待の声が上がった。

 発表会見後、南城市の観光施設「ガンガラーの谷」内にあるサキタリ洞遺跡には報道関係者約20人が詰めかけ、発掘現場を見学。発見位置や調査の状況を説明する担当者の話に聞き入った。

 会見に同席した沖縄県立博物館・美術館の田名真之館長は「謎に包まれていた沖縄旧石器人の生活をまた一歩、解明できた。調査結果を報告することができて大変喜ばしい。今後も一層充実した研究活動を実施していきたい」と胸を張った。

 沖縄考古学会の當眞嗣一会長は「まず驚いた。同時代のものが南方の東ティモールでも見つかっており、人類の移動を考えるには東西南北を見渡さなければならない、と教えてくれる素晴らしい発見だ。さらなる解明に大いに期待したい」と同遺跡に関心を寄せた。

 元琉球大学医学部准教授の土肥直美さん(形質人類学)は「サキタリ洞の約2万年にわたる継続利用が明らかになった。当時の人類は、一時は絶滅したのではとの議論もあったが、資源の少ない島で生き延びるすべを持っていたことが立証された。今後、旧石器時代の情報がどれだけ出るのか楽しみ」と期待を込めた。

■ウナギにカニ 研究者も驚く多様な食生活

 サキタリ洞遺跡からは、高級食材の上海ガニの仲間モクズガニのはさみや、オオウナギの骨、巻き貝のカワニナの殻などが出土した。カニは大型化する秋を選んで捕獲していたことも判明。沖縄で刺し身として人気の魚イラブチャーの骨も見つかり、研究者は「意外とグルメな暮らしぶりだったようだ」と話している。

最終更新:9月20日(火)12時0分

沖縄タイムス