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イクボス増やそう/青森県内、啓発セミナー続々

Web東奥 9月20日(火)15時28分配信

 職場の部下のワークライフバランス(仕事と、育児・介護などの家庭生活との両立)を考え、支援する上司・管理職「イクボス」を増やそうという動きが青森県内でも広がってきた。青森県警では幹部65人が7月、「イクボス宣言」に署名。青森県やNPO法人は本年度、県内でセミナーを相次いで開くなど、イクボス育成へ向けた企業や行政の啓発に力を入れている。
 青森県警は、今年策定した女性職員活躍推進計画に基づいてワークライフバランスを推進しようと幹部がイクボス宣言に署名。細田均警務部長は「働きやすい職場環境をつくることで、すべての職員が職務に精励することができ、県民の期待と信頼に応える強い組織になると考える。優秀な人材を確保する観点からも重要な取り組みだ」と強調する。
 ただ、県が把握する限り県内でこれまでイクボス宣言をしたのは県警だけで、行政、民間企業とも動きは鈍い。他県では行政トップや管理職、大学がイクボス宣言をしたり、企業が「イクボス同盟」に加盟するなど活動が活発化している。
 青森県は男性の育児休業取得率も低い。県などによると県内事業所の男性の取得率は1.1%(2015年)。前年比で0.4ポイント増えたものの全国平均の2.65%を大幅に下回っている。
 父親の子育て・自立支援活動を行うNPO法人ファザーリング・ジャパン東北の理事で、2児の父でもある平川市職員、齊藤望さん(45)は「県内ではイクボスはまだ少ないし、認知度も低い。ただ、県やNPOのセミナーなどを通じ徐々に社会が必要性を感じてきている。まずは1人の(上司の)行動を、組織の風土に変えていくことが重要だ」と指摘する。
 イクボスへの理解を深めてもらうため、県は今月、初めてのセミナーを青森、弘前、八戸の3市で開催。7日に青森市で開いたセミナーには、行政・企業のトップや管理職、人事担当者ら約60人が参加した。
 参加者で三沢市の建設会社社長の男性(61)は「建設業は残業を少なくしようとしても忙しくて難しい」と言いつつ「女性社員も増えており、長く勤めてもらえる環境づくりを考えなければならない」と思いを巡らせる。県内金融機関の人事担当部署で副部長を務める女性は「女性の活躍推進にイクボスは不可欠。さらに、子育て中の人もいれば、親などの介護をしている人もいる。働き方を変えるにはイクボスの果たす役割は大きい」と話した。
 県青少年・男女共同参画課の山谷文子課長は「トップが意識を変えなければならない。上司が長時間労働していると、部下も家に帰りづらい。男女とも働きやすい環境を築き、適正な時間を働くことで企業の生産性は高まる」と語った。

東奥日報社

最終更新:9月20日(火)15時28分

Web東奥