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けん引役不在の世界経済、成長加速の勢い得られず

Bloomberg 9月20日(火)14時31分配信

世界経済の問題点を一つ挙げるなら、それは成長のけん引役を果たそうとする意志や方策を持つ国が皆無であることだ。

米金融当局は今週の連邦公開市場委員会(FOMC)で再び利上げを見送る見通しで、その一因には利上げがドル高を招いて米国の輸入増加につながるとの懸念が挙げられる。中国の場合、経済構造を輸出志向から転換したい意向を表明しつつも、世界の市場でのシェアは拡大。欧州も英国民投票を契機とした欧州連合(EU)を分裂させようとする諸力を封じ込めようと、需要確保に余念がない。

米カリフォルニア大学バークリー校のバリー・アイケングリーン教授(経済学)は電子メールで、「機関車役の登場は見込めない」とし、「米国や中国、欧州のいずれも国内問題への対応で手一杯だ」と説明した。

その結果、世界の成長率は2-3%のレンジにとどまることになりそうだ。2010年以降、この状態が続いているが、08-09年の世界的なリセッション(景気後退)前の5年間は平均3.6%で推移していた。

米調査会社IHSのチーフエコノミスト、ナリマン・ベーラベシュ氏は「少なくとももう1年はセカンドギアのまま、横ばい推移となりそうだ」と語り、世界の国内総生産(GDP)伸び率は今年が2.4%、来年は2.8%との見通しを示した。

低調な予想の背景にあるのは、日本とユーロ圏の金融当局が景気刺激の「戦力をいわば使い果たした」ことにあると、ワシントンにある国際金融協会(IIF)のチーフエコノミスト、チャールズ・コリンズ氏は話す。

米財務次官補を務めた経歴を持つコリンズ氏は、財政政策が活用されるようになりつつある点に関しても、成熟した経済を多かれ少なかれ安定成長に保つ「現状維持策」としての性格が強いとみている。

唯一のエンジン

世界一の経済大国として米国はかつて機関車役を担ってきた。だが、先のリセッション終了以降、米国の成長率は平均2.1%にすぎず、米当局者も世界経済のけん引役をあまりも多く引き受けることには消極的だ。

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最終更新:9月20日(火)14時31分

Bloomberg