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日本料理店の女将、昼の顔はキックボクサー

神戸新聞NEXT 9月21日(水)7時30分配信

 神戸市中央区の日本料理店の女将(おかみ)、岸幸江(ゆきえ)さん(46)のもう一つの顔は、現役キックボクサーだ。2児を育てながら夫と店を切り盛りし、昼は激しいトレーニングに身体を追い込む。フルマラソンを3時間半で走りきる体力の持ち主は「親が私をたくましい子に産んでくれたから、倒れないんです」。鉄の女だ。

 「ジャブ! ジャブ! ワン、ツー!」

 同市同区旗塚通3のキックボクシングジム「ブラ・フレイ」。インストラクターでもある岸さんは、ジム生たちに教えていた。「指導って難しいですね」。そう言って汗をぬぐう。

 兵庫県三木市出身。子どもの頃、部活動に没頭した経験はない。38歳になって、ダイエット目的でジムに入り、キックボクササイズを始めた。2人の男児を育て、夫が経営する日本料理店ですでに女将として働いていた頃だった。

 ダイエット目的のはずが“本気”になった。たたく。蹴る。「日常生活ではしたらだめなことを、していいスポーツ」。ストレス解消にもなる。「強くなりたい」と競技者としてキックボクシングにのめりこんだ。2013年秋、岸さんの師である世界マーシャルアーツ連盟(WMAF)ウエルター級元王者の北山高与志さん(37)が開設したブラ・フレイへ移った。

 アマチュアとして戦績は5試合で2勝2敗1分け。週3~5日、ランニングやジム通いをする。実力が認められ、昨秋からはジムでキックボクササイズの指導も任されている。

 子どもは今、大学生と高校生。岸さんは「子どもも旦那も以前は、私がしんどそうにしてたら『もうやめとき』と言ってくれていたけど、今はもう諦めてるみたい」と笑う。北山さんは「試合で劣勢でも最後まで前に出続けられる。一本芯が通っている」と心身のタフさをたたえる。

 何歳まで競技を続けるのか。「そういうことは考えてない」。鉄の女は即答した。

 ブラ・フレイTEL078・771・4448

(藤村有希子)

最終更新:9月21日(水)7時56分

神戸新聞NEXT