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<台風10号>震災憂い救助犬養成 岩泉へ

河北新報 9月21日(水)10時3分配信

 台風10号豪雨から3週間となった岩手県岩泉町で、同県大槌町の佐々木光義さん(48)と災害救助犬「ゆき」が行方不明者2人の捜索を続ける。佐々木さんの両親は東日本大震災の津波に遭い、行方が分かっていない。悲しみを胸に刻み、災害時に役立とうと「ゆき」を救助犬として育てた。「岩泉ではせめて手掛かりだけでも見つけたい」。コンビは濁流の爪痕を行く。

【写真特集】行方不明者を捜索する佐々木さんと災害救助犬「ゆき」

 佐々木さんとゆきは18日、岩舘サツさん(93)が行方不明となっている岩泉町穴沢に入った。ゆきはゴールデンレトリバーの雌で3歳。土砂や流木が覆う小本(おもと)川沿いを指示に従って動き、4時間ほどかけて数キロを捜索した。

 台風被害の直後、佐々木さんは「今行かなくていつ行くのか」と思い立ち、岩泉署にボランティアでの捜索を志願。大槌町で営む立ち食いそば店が休みの日曜に車で岩泉に通う。

 震災では父栄雄さん=当時(75)=、母セツさん=当時(73)=が津波に巻き込まれたとみられ、行方不明になったままだ。

 当時、東京都の警備会社に勤めていた佐々木さんはがれきの街となった古里で両親を捜したが、手掛かりさえ見つからなかった。

 2012年に大槌町に戻ってそば店を開き、13年にゆきを飼い始めた。名前は母セツさんの名を漢字の「雪」にして読み替えた。

 「また災害が起きたとき、必ず役に立つはず」。見つからない両親への思いを込め、ゆきを譲り受けた横浜市の訓練士に頼み、災害救助犬の訓練を始めた。

 昨年5月、ゆきは救助犬を育成する社団法人ジャパンケネルクラブの認定試験に2度目の挑戦で合格した。同年10月には岩手県警の嘱託警察犬の審査会にも合格。今回が初めての本格的な活動になった。

 岩泉署の後藤俊生次長は「土砂やがれきが大量に残り、十分な捜索ができていない。ゆきが人の気付かない手掛かりを見つけてくれるかもしれない」と協力に感謝する。

 「大事な人が見つからないつらさは良く分かる。例え悲しい結果でも、見つかるかどうかで全然違う。不明者がいるうちは、できる限り捜索を続けたい」

 佐々木さんは自身の体験を重ね、行方不明者の親族らの心中を思いやる。

最終更新:9月21日(水)16時16分

河北新報

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