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19年間石綿工場勤務 遺族が国賠提訴へ 尼崎

神戸新聞NEXT 9月21日(水)7時30分配信

 兵庫県尼崎市内のアスベスト(石綿)製品工場で働き、2012年に中皮腫で亡くなった女性の遺族が近く、国に計1430万円の損害賠償を求める訴訟を神戸地裁尼崎支部に起こす。最高裁が国の責任を認めた大阪・泉南アスベスト訴訟を受けた裁判。遺族らは「国が規制を怠ったと指摘された時期に石綿原料の再生・製造作業をしていた」と主張している。

 訴えるのは、亡くなった冨田サトミさん=当時(76)=の長男重幸さん(54)ら4人。

 遺族らによると、サトミさんは、夫澄男さん(1990年2月、58歳で肺がんで死亡)とともに68~87年、尼崎市食満(けま)にあった「新山石綿工業所」で勤務。敷地内の社宅に住み、粉砕した石綿の原料をかき混ぜたり、袋に詰めたりする作業をしていたという。11年、石綿が引き起こすとされる悪性腹膜中皮腫を発症し、12年に死亡した。

 国は、14年の泉南アスベスト訴訟判決確定後、58年5月~71年4月に石綿工場で働いた人を賠償金の支払い対象とした。国は、遺族らが提訴した場合、賠償基準と合えば和解に応じる方針を示しており、遺族側は「サトミさんも該当する」としている。

 重幸さんは「苦しむ両親を間近で見てきた。社宅で育った私たちも今後の発症の不安を抱えている。訴訟を通じて、そうした思いを訴えたい」と話している。(吹田 仲)

最終更新:9月21日(水)7時43分

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