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三浦、横浜一筋の涙 24日巨人戦でラスト先発「勝つ。それだけ」

スポニチアネックス 9月21日(水)7時0分配信

 さらば、ハマの番長…。現役最年長、DeNAの三浦大輔投手(42)が20日、横浜市内のホテルで記者会見を開き、今季限りでの現役引退を表明した。92年に前身の大洋に入団し、横浜一筋25年で通算172勝をマーク。今季はここまで2試合の登板も未勝利だった。トレードマークのリーゼントで横浜ファンに愛された右腕は、プロ野球新記録となる24年連続勝利を懸けて、横浜スタジアムでのレギュラーシーズン最終戦となる24日の巨人戦に先発する。

 トレードマークのリーゼントで「ハマの番長」がさっそうと姿を現した。報道陣約150人、テレビカメラ20台が集まった引退表明会見。ファンへのメッセージを求められた時だった。

 「もう駄目かなと思って、2軍で1軍の試合をテレビで見ているとき……。18番のユニホームを着て応援してくれている姿を見た。絶対にあのマウンドに戻るんだと思い、頑張ってきた」。三浦の目が涙でみるみるうちに真っ赤に染まった。

 引退の理由はシンプル。「勝てなくなったからです」――。98年の日本一を知る最後の現役選手で、低迷期もエースとしてチームを支え昨季まで23年連続で勝利を挙げてきた。しかし、プロ25年目、投手コーチ兼任3年目の今季。若手の台頭により初登板が7月11日までずれ込んだ。満を持して臨んだが、中日打線に4回を11安打6失点と打ち込まれた。8月になっても声は掛からない。「そのときにほぼ気持ちは固まっていた」という。

 「いろんな葛藤もあったが、悩んで悩んで。最終的には勝てなかったら辞めるべきと」

 球団に引退の意思を伝えたのは今月16日、今季2度目の登板となった阪神戦(甲子園)のあと。家族が見守る中、4回1/3を2失点で黒星を喫し、宿舎に戻り池田純球団社長、高田繁GM、ラミレス監督に申し出た。

 チームメートには自らの口で伝えた。球団初のCS進出が決まった前日の試合後。三浦は「まだ試合があるから」と涙をこらえ、最後に「CSを勝ち抜いて、日本シリーズまで連れていってください!」。会見では「途中から何を言っていたか分からなくなった」と言うが、選手たちはその思いを脳裏に刻んだ。

 42歳で現役最年長となった今でも、試合開始の6時間半前には球場でトレーニング。年齢を重ねた分は、練習で補ってきた。ドラフト6位でプロの世界に飛び込んだ右腕は「とびきり凄く球が速いわけでも、凄い変化球があるわけでもなく、よくやってこられたな。まさか25年もやるとは。勝ちたいという思いがあったからこそ、苦しい練習もできた」。努力で積み重ねた172の白星だ。

 引退後は未定。でも、はっきりと口にしたことがある。「25年間、横浜の町で育てられた。将来的にはまた横浜に戻ってきたい。たくさんのファンの方が喜んでくれて、支えてくれた。本当に三浦大輔は幸せ者だなと思います」。24日の巨人戦、プロ野球新記録の24年連続勝利を懸けて、現役最終登板に臨む。会見前には投手練習に参加した三浦は「勝つ。それだけです」と短い言葉に思いを込めた。感謝の気持ちを白星にして、最後の勇姿をファンに届ける。 (中村 文香)

 ◆三浦 大輔(みうら・だいすけ)1973年(昭48)12月25日、奈良県生まれの42歳。高田商から91年ドラフト6位で大洋(現DeNA)入り。98年に12勝を挙げ、日本一に貢献した。04年にはアテネ五輪出場。05年には最優秀防御率と最多奪三振のタイトルに輝いた。14年から投手コーチ兼任。プロ25年の通算成績は534試合で172勝183敗、防御率3・58。1メートル83、88キロ。右投げ右打ち。

最終更新:9月21日(水)10時40分

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