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<スイス中銀>総裁「さらなる引き下げも排除しない」

毎日新聞 9月21日(水)0時33分配信

 スイスの中央銀行であるスイス国立銀行(SNB)のヨルダン総裁は毎日新聞との書面インタビューに応じ、現行で0.75%のマイナス金利について、「さらなる引き下げも排除しない」との姿勢を示した。日銀や欧州中央銀行(ECB)など主要中央銀行がマイナス金利を導入する中で、自国通貨の相場上昇を防ぐためだが、年金基金や保険会社などは資金の運用難に陥っており、「困難に直面している」と弊害の大きさも認めた。

 日銀やECBがデフレ脱却や回避に向けた景気の下支えをマイナス金利の主目的として打ち出すのに対し、SNBは自国通貨のフラン高を防ぐことを狙いとしている。スイス経済は時計などの輸出産業に大きく依存しており、フラン高は輸出に悪影響を及ぼし、大きな打撃となるためだ。当初は大規模な為替介入でECBの緩和策に対抗してきたが、2014年6月にECBがマイナス金利を導入したことで、同年12月に追随することを決め、徐々にマイナス幅を拡大している。

 ヨルダン総裁は「小国で開放経済のスイスにとって、為替レートは極めて重要だ。(主要中銀が金融緩和を続ける)現在の経済環境では、フランはさらに他国通貨に比べ強くなり、経済へのダメージは強まる」と述べ、防衛策としてのマイナス金利を正当化した。

 一方、大幅なマイナス金利によって、多くの銀行が年金基金などの機関投資家にコストを転嫁せざるを得なくなっていることを認め、「低金利環境と相まって、顧客に約束した収益を上げるのが困難になっている」と悪影響を認めた。

 さらにヨルダン総裁は、「マイナス金利はかなりのところまで来た。我々は、(預金が)現金に向かうといった潜在的な副作用があることを認識している」と表明。一層の金利引き下げは、銀行からの資金流出を引き起こす危険があるなど、限界が近づきつつあることを示唆した。【ロンドン坂井隆之】

最終更新:9月21日(水)1時11分

毎日新聞