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財閥総崩れで韓国経済ピンチ 国家の代表産業で問題続々…新産業も見当たらず

夕刊フジ 9月21日(水)16時56分配信

 韓国の財閥が窮地に陥っている。ロッテグループの裏金疑惑で会長が韓国検察に出頭、韓進(ハンジン)海運破綻の混乱は続き、サムスン電子では新型スマートフォンのリコール(無料の回収・修理)問題の影響が懸念されている。

 20日、事情聴取を受けるため、ソウル中央地検に出頭したのは、ロッテグループ創業者の重光武雄(韓国名・辛格浩=シン・ギョクホ)氏(93)の次男でグループ会長の昭夫(同・辛東彬=シン・ドンビン)氏(61)。地検前で記者団に「ご心配をお掛けし申し訳ない。捜査には誠実に協力する」と述べた。疑惑の認否に関しては「検察で詳しくお話しする」と繰り返した。

 韓国メディアによると、昭夫氏は日本のグループ系列会社に名ばかりの役員として籍を置き不当に報酬を得たり、一部の系列会社に多額の損失を肩代わりさせたりしたとして、横領や背任の疑いが持たれている。

 ロッテをめぐっては昨年、昭夫氏と兄の宏之(同・辛東主=シン・ドンジュ)氏(62)による経営権争いを機に裏金疑惑が浮上。地検は今月、武雄氏を親族らへの株式譲渡に絡む贈与税の脱税などの疑いで、宏之氏も横領などの疑いでそれぞれ取り調べた。

 8月末に経営破綻した韓進海運の問題も長引いている。財閥総帥の趙亮鎬(チョ・ヤンホ)氏が400億ウォン(約37億円)、韓進海運前会長の崔恩瑛(チェ・ウンヨン)氏は100億ウォン(約9億円)の私財を拠出したが、兄弟会社の大韓航空の600億ウォン(約55億円)支援は難航、物流の混乱も収まっていない。

 サムスンの新型スマホ「ギャラクシーノート7」のバッテリー爆発問題も追い打ちとなった。米国では約100万台のリコールが決定、韓国で19日から製品の交換が始まった。12日に約7%下落したサムスン株はその後反発したが、聯合ニュースは「事件の波紋が大きいうえ、アップルのiPhone(アイフォーン)7も市場の予想を上回る人気で、サムスンが反発を持続できるかどうかは未知数」と報じた。

 韓国を代表する産業で問題が相次いでいることについて、近著に『サムスン崩壊』(宝島社)がある週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏は「基礎技術が脆弱(ぜいじゃく)なこともあって、重厚長大に代わる新たな産業が見当たらないのは非常に深刻な問題だ」と指摘している。

最終更新:9月21日(水)17時23分

夕刊フジ