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血痕DNAの信用性争点 静岡・伊東干物店強殺事件公判

@S[アットエス] by 静岡新聞 9月21日(水)7時49分配信

 伊東市の干物店強盗殺人事件で、強盗殺人罪に問われた元従業員の男(64)=同市大原=の静岡地裁沼津支部(斎藤千恵裁判長)での裁判員裁判で、検察側は20日、DNA型鑑定の結果、被告の着衣や車に被害者の血液が付着していたことを指摘した。弁護側は「被害者のDNAではない」と反論し、DNA型鑑定の信用性が争点に浮上した。

 検察側は被告のトレーナーやズボン、車の背もたれやフロアマットに、殺害された同店社長の女性=当時(59)=と「矛盾しない血液」が付着していたと指摘し、衣類や車について「事件当日に着用し、被告が運転していた」と主張した。

 今後の公判で、県警科学捜査研究所の技官らを証人尋問し、鑑定結果の信用性を立証する方針。初公判で検察側証人として出廷した元従業員の男性は「社長が被告の車に乗ったとか、運転したのは見たことがない」と証言した。

 弁護側は「検出された血液が社長のDNAだと間違いなく言えるのか」と疑問を呈した。着衣の押収状況やDNA型鑑定の手法などをただし、法医学者の見解を通してDNA型鑑定の信用性を争う予定。

 検察側はまた、事件翌日までに被告が使った現金について「現金の入手経路は犯行によるもの」との見方を示し、弁護側は「上司から借りたお金と自身でためていた小銭貯金など」と反論した。現場を訪れた経緯についても「経済的に困窮し、現金を奪うため」(検察側)、「再就職を依頼するため」(弁護側)と主張が対立した。



 ■「被告主張信用できず」 遺族

 伊東市の干物店で社長の女性=当時(59)=ら2人を殺害し、売上金を奪ったとして強盗殺人罪に問われた被告(64)の裁判員裁判。静岡地裁沼津支部で20日開かれた初公判を傍聴した女性の義理の息子(47)=静岡市清水区=は「被告の主張は全く信用できない」と語気を強めた。

 義理の息子は、再就職の依頼のために店を訪れたところ2人が既に死亡しているのを被告が目撃したとする弁護側の主張について「なぜすぐに通報しなかったのか。そんな言い訳が通用するのか」と憤りをあらわにした。義理の息子の妻(47)は「死因を詳しく聞き、あらためて恐ろしい事件だと思った」と語った。もう一人の被害者である同店従業員の男性=当時(71)=の兄も、被害者参加制度を利用して傍聴した。

 閉廷後、取材に応じた被告の弁護人は「検察側の立証構造を崩していく。争点は全てになる」と語った。

静岡新聞社

最終更新:9月21日(水)10時34分

@S[アットエス] by 静岡新聞