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紛争地ガザで初撮影 死の匂いに罪悪感…それでも希望を描いたワケ

シネマトゥデイ 9月21日(水)10時0分配信

 映画『オマールの壁』で、第66回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」審査員賞に輝いたハニ・アブ・アサド監督が、最新作『歌声にのった少年』のプロモーションのため来日し、都内でインタビューに応じた。これまで『パラダイス・ナウ』や『オマールの壁』で、占領下のパレスチナに生きる若者の苦悩と挫折を骨太の社会派ドラマに仕上げ、国際問題に鋭く切り込んできたアサド監督が、「本作では、生きる希望を描かなければと思った」と語ったように、歌手になる夢を抱いて紛争地を飛び出し、人々の期待の星になっていく少年の実話を題材に新境地を開いた。

『歌声にのった少年』予告編

 その少年というのは、人気オーディション番組「アメリカン・アイドル」の中東版「アラブ・アイドル」で2013年に優勝し、アラブでは知らない人がいないほどのスーパースターになった歌手ムハンマド・アッサーフのこと。本作は、パレスチナ・ガザ地区で育ったムハンマドが、少年の頃に抱いた「スターになって世界を変える」という夢に大人になって再び挑戦し、さまざまな障壁を乗り越えていく姿を明るく描き出す。

 「ムハンマドの存在を知ったのは、ちょうど『オマールの壁』がカンヌで上映された頃で、彼がコンテストで優勝した瞬間はテレビで見たよ」と振り返るアサド監督。彼が紛争地のガザからコンテスト会場のカイロ(エジプト)に向かう途中、検問所で違法ビザを見抜かれ、その場でコーランを歌ってみせると「神に祝福された声」として入国を許された逸話をはじめ、神が背中を押したとしか思えないムハンマドの奇跡の実話にワクワクさせられる。

 「彼がたどってきた半生にとても心を動かされたね。イスラム教徒もキリスト教徒も、老いも若きも、彼の歌声を楽しむために1つに集まった。それを見たとき、これは本当にすごいことだと感じた」と続けるアサド監督は、「私がカンヌで受賞したのは、自分の勝利でしかなかったが、ムハンマドの勝利は人々の希望を代表する、みんなのための勝利だった。自分がアーティストとして果たすべき役割は何かということを、彼に気づかされた」と彼への共感を惜しまない。

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最終更新:9月21日(水)10時0分

シネマトゥデイ

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。