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神戸名物“中華カレー”根強い人気 ルーツは…

神戸新聞NEXT 9月21日(水)11時46分配信

 神戸・元町エリアの複数の中華料理店が提供するカレーライスが人気だ。具材を中華鍋で炒めて鶏ガラスープとカレー粉で味付け、かたくり粉のとろみや素朴な味が多くの人を引きつける。なぜ、中華料理でカレーなのか-。そのルーツは戦後間もないころにまでさかのぼり、多様な食材を受け入れる中華料理の特徴が生んだ逸品と言えそうだ。

【写真】中華鍋を使ってカレーを作る藤原良明さん

 創業49年の「香美園(こうびえん)」(神戸市中央区元町通3)では、多いときで1日80食、注文の7割を占める。具材は淡路産タマネギ、スープに通したジャガイモ、豚肉のみ。カレー粉で作ったルーはピリ辛で、具材の食感や肉のうまみが楽しめる。

 出張途中に立ち寄る東京の常連客もおり、店主の藤原良明さん(48)は「創業時からの人気メニュー」と胸を張る。

 「杏杏(しんしん)」(同区下山手通4)のカレーは、もともと従業員のまかないだった。地鶏と、隠し味にココナツジュースを使い、「わが家の味を復元した」と呉杏芳オーナー。「群愛飯店本店」(同区中山手通3)や「紅宝石」(同区下山手通3)では牛バラ肉を使う。

 でも、なぜ中華料理に? 疑問に答えてくれたのは、神戸・南京町の老舗「民生広東料理店」(同区元町通1)の店主安達正一さん(49)。同店では戦後間もない創業時のメニューに並んでいたといい、「どんな食材や調味料でも貪欲に取り入れてきた広東料理だからこそ生まれたメニューでしょう」と笑う。

 確かに、同エリアでカレーを提供する店は広東系が大半だ。実家が中華料理店を営み、早稲田大で人類学を教える陳天璽教授は「明・清朝時代、主に広東や福建などから東南アジアなどに移住した華僑がカレーのスパイス文化に触れ、帰国した彼らによってカレー風味の料理が伝わったのでは」と推測する。

 雑誌のカレー特集でも同エリアの店が取り上げられるなど定着しており、「創業時の伝統を守りつつ、お客さんに愛してもらえるよう少しずつ改良している」と香美園の藤原さん。神戸名物の“中華カレー”は進化を続けている。(小西隆久)

◆カレーライスを提供する神戸・元町エリアの主な中華料理店は次の通り◆

・香美園…カレー650円(大盛り880円)。TEL078・391・4015

・杏杏…?●■飯1080円。TEL078・322・3339

・群愛飯店本店…ビーフカレーライス1080円(サラダか生卵が選べる)。

 TEL078・332・5203

・四興楼…カレーライス600円。TEL078・331・0783

・紅宝石…牛ばらカレーライス864円(大盛りは972円、スープと漬物付き)。

 TEL078・331・6162

※●は「口」へんに「厘」、■は「又」へんに「鳥」

最終更新:9月21日(水)12時6分

神戸新聞NEXT